梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《「総括」・1》

 どうやら、これまで、私はとんでもない「思い違い」(間違い)をしてきたようだ。新型コロナウィルスの感染が中国から始まり、それが韓国や日本にも波及し、さらに中東、欧米諸国まで拡がった、と思っていた。中国や、韓国はすでに終息期を迎え、日本も「それに倣えば良い」「中国でほぼ3か月かかったのだから、日本も5月いっぱいで終息するだろう」と思っていた。その根拠は、連日公表されている「厚生労働省のホームページ」および「東京新聞朝刊」に掲載される《新型コロナウィルス感染者が多い国・地域》の数値と推移に基づいていたのだが、その《数値》そのものが信用できない代物だったとしたら、話は別である。
 どう考えても、日本の感染者数は他国に比べて少なすぎる。さもありなん、厚生労働省の数値は、これまで(2月18日から4月1日まで)にPCR検査をした65039件に基づいているだけだ。日本の人口がほぼ1億人としても、そのうちのたった(延べ?)65039人を検査した結果に過ぎないのである。その数値を、日本全国の数値として厚生労働省は公表している。それがペテンであることは統計学者でなくてもわかる。《だから》、以下の数値は、ほとんど信用できないが、今はその数値しか入手できないので、とりあえず・・・。
 厚生労働省のホームページによれば・・・。*( )は前日比、↑は数値の上昇、↓は下降、→は不変。●は《増加率》1.1倍未満、▲は1.1倍以上、■は不変。
【新型コロナウィルス感染症に関する入退院の状況】(PCR検査実施数59705件) 4月2日18時現在、●感染者3289人(1.07倍↑)、▲入院者2082人(1.12倍→)、●退院者1133人(1・008倍↓)、●死亡者74人(1.04倍→)
【国内の現在の状況について】(4月3日12時現在・クルーズ船事例を除く) 
《PCR検査陽性者数》、▲PCR検査者39446人(◎+4936人、1.14倍↑)、●陽性者2617人(◎+236人、1.09倍↓)、
《PCR検査陽性者の有症・無症の別》
●有症状者1838人(◎115人、1.06倍→)、●無症状者287人(◎+15人、1.05倍↓)、
《入退院等の状況》
▲要入院者2040人(◎+224人、1.12倍↑)、●軽中度1018人(◎+77人、1.08倍↓)、●重篤64人(◎+2人、1.03倍→) ▲退院者514人(◎+9人、1.16倍↓)、●死亡者63人(◎+3人、1.05倍→)
 上の数値で《かろうじて》信用できるのは、①入院者、要入院者が前日比1.2倍に増えていること、②退院者、無症状者、軽中度者の増加率が1.1倍未満で増えていないこと、くらいであろうか。 


PCR検査の件数が《致命的に少ない》ことは、これまで野党から追及され、今では諸外国からも批判されている。「東京五輪」のために公表数値を(逃げ道を用意した上で)ごまかすことなど、安倍政権にとっては「お手の物」(得意技)だ。今後、PCR検査を受けていない無症状の感染者によってオーバーシュートに至ることは必定、そのことを国民一人一人は覚悟しなければならない。
(2020.4.4)