梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《世界の動向と日本・2》

 3月26日から27日にかけて、世界の感染者数・死者数の「増加」、「致死率」の様相は以下のとおりである。(●は増加率の1.1倍未満、▲は1.1倍以上、■は不明・数値は「東京新聞朝刊」掲載の表《新型コロナウィルス感染者が多い国・地域》にもとづく)


《感染者数・増加率》(26日→27日) *↑、↓、→は、前日比
●中国55人↓(1.0006倍↓) ●韓国91人↓(1.009倍↓) ●イタリア6156人↑(1.08倍↑) ●イラン2926人↑(1.09倍↑) ●日本97人↑(1.04倍↑) ▲フランス3922人↑(1.15倍↑) ▲ドイツ6154人↑(1.16倍↑) ▲スペイン7871人↓(1.14倍↓) ▲米国17027人↑(1.24倍↓) ●スイス949人↑(1.09倍↓) ▲英国2129人↑(1.22倍↑)
《死者数・増加率》(26日→27日)
●中国5人↓(1.0001倍→) ●韓国8人↑(1.06倍↑) ▲イタリア662人↓(1.03倍↓) ●イラン144人↓(1.06倍↓) ●日本3人↑(1.05倍↑) ▲フランス365人↑(1.27倍↑) ▲ドイツ61人↑(1.30倍↓) ▲スペイン769人↑(1.18倍↓) ▲米国299人↑(1.30倍↓) ▲スイス58人↑(1.56倍↑) ▲英国115人↑(1.24倍↑)


《27日現在の致死率》
 中国4.0%→、韓国1.5%↑、イタリア10.1%↑、イラン7.3%↓、ドイツ0.6%↑、米国1.4%→、フランス5.8%↑、スイス1.5%↑ 英国4.9%↑、日本2.7%↑。


 これを見ると、感染者数の増加率が前日比1.1倍未満で抑えられている国は、中国、韓国、イタリア、イラン、日本、スイスであり、上昇を続けている国は米国、英国、ドイツ、フランス、スペインであることがわかる。
 死者数の増加率が前日比1.1倍未満に抑えられている国も、中国、韓国、イタリア、イラン、日本であり、増加率が最も高い国はスイスであり、以下米国・ドイツ、フランス、英国、スペインの順である。
 また、致死率の最も高い国はイタリアであり、以下イラン、フランス、英国、中国、日本、韓国、スイスの順であり、最も低い国はドイツである。


 したがって、日本の《現状》は世界の中で《最悪》とはいえない。感染者数は2182人であり、韓国の9332人と比べても23%にすぎず、他の国々が1万人を超えている中では最少だ。死者数も59人で韓国の139人に比べれば42%である。《だから》これまでの様々な対策は、一定の効果があったと評価できるのではないか。それは、ひとえに国民の辛抱と努力の結果であろう。
 《にもかかわらず》、為政者・専門家・関係者、マスコミの面々は、ことさらに不安を煽り立て、国民の自由を制限しようとしている。それは、その方が彼らにとって都合が良いからである。その方が《儲かる》からである。
 国民は騙されてはいけない。だいたい、これまでに「新型コロナウィルス感染症(肺炎)」の死者が52人になったからといって、その数字にどんな意味があるのか。毎日、国内で何人が死んでいるか。厚生労働省のホームページ(「日本の1日」)では3280人という数値が示され、その内訳まで紹介されている。《がんでは? 968人 心疾患では? 518人 脳血管疾患では? 338人 事故では? 111人 仕事中の事故では? 3人 老衰では? 124人 自殺では? 87人》。では、今なぜ、「新型コロナウィルス感染」による死者だけが注目されなければならないか。多くの国民の関心事?その関心を扇動しているのは誰か。冷静に見極めよう。
 巷間では「首都厳戒 感染爆発防止へ正念場」「感染拡大で懸念『医療崩壊』」「国内感染者 初の1日100人超え」といった文言が飛び交っている。どの言葉に意味があるか、どれが真実か、冷静に見極めよう。ちなみに(厚生労働省のホームページでは)27日現在、感染者の中で入院中のうち重篤者は56人という数字が示されている。
 問題は、感染よりも不安が拡大し、生活物資、食料の不足を招くこと、この状況を危機に仕立て上げ、ぼろ儲けを企む輩の存在、そのために弱者がいっそう苦しむこと、なのである。
(2020.3.28)