梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《パンデミックの「様相」》

 WHO(世界保健機関)が、新型コロナウィルス感染症の「パンデミック(世界的大流行)を表明した。12日現在、各国の感染者数(死者数・死者数÷感染者数)は以下のとおりである。(数値は「東京新聞朝刊(9面)《新型コロナウィルス感染者が多い国・地域》による)
■中国80793人(3169人・3.9%) ■イタリア10242人(827人・8.07%) ■イラン10075人(429人・4.25%% ■韓国7869人(66人・0.83%) ■スペイン2968人(84人・2.8%) ■フランス2281人(48人・2.10%) ■ドイツ1567人(4人・0.25%) ■日本1379人(24人・1.74%) ■米国1257人(37人・2.94%) ■デンマーク617人(0人・0%) ■スイス613人(4人・0.65%) 
 致死率(死者数÷感染者数)を見ると、イタリアが8.07%で最も高く、以下イラン(4.25%)、中国(3.9%)、米国(2.94%)、スペイン(2.8%)、フランス(2.10%)と続く。
 その次が日本(1.74%)で、以下、韓国(0.83%)、スイス(0.65%)、ドイツ(0.25%)という順である。デンマークの死者は出ていない。
 これが「パンデミック」の様相である。WHOは致死率を2%としているので、それを超える国と、それ以下に抑えられている国に二分されるが、日本は後者の中で一番高い。数日前は1.3%だったので徐々に2%に近づき、それを超えるのも時間の問題だろう。とはいえ、世界の中ではまだ「感染者は少なく死者数も抑えられている方だ」。感染者の中にはクルーズ船696人が含まれているので、それを除けば683人ということになる。またクルーズ船に死者は7人だから、それを除けば17人に減少する。その場合は致死率2.48%になるという計算だ。
 また、感染者数・死者数が3日前(9日現在)に比べて何人増加したかを、各国別に見ると以下のとおりである。
■中国58人・50人(1.0007倍・1.01倍) ■イタリア2867人・461人(1.38倍・2.25倍) ■イラン3509人・235人(1.53倍・2.21倍) ■韓国391人・13人(1.05倍・1.24倍) スペイン2057人・59人(3.25倍・3.36倍) ■フランス1155人・29人(2.02倍・2.52倍) ■ドイツ455人・3人(1.40倍・4.0倍) ■日本110人・8人(1.14倍・1.5倍) ■米国712人・15人(2.30倍・1.68倍) 
 これを見ると、中国では感染者数・死者数ともに増加率は1.1倍以下に減少してきた。だから「このままいけば」終息に向かうと思われる。それに続くのが韓国、日本、ドイツで、どの国も増加率が1.1%を下回れば終息が期待できそうである。イタリア、イランの感染者数の増加率は減少に向かいつつあるが、死者数の増加率は高まりつつあるので、予断を許さない。スペイン、フランス、米国はまだまだ拡大の一途をたどる畏れがあるから、感染防止に最大限の手を打たなければならない、ということがわかる。
 新型コロナウィルス感染は、中国で昨年(2019年)12月以降確認されて、ほぼ4か月が経過した。今、中国が感染拡大のピークを過ぎたとすれば、日本で初めて感染が確認されたのは1月中旬だから、万全の態勢で臨めば(4か月後の)5月下旬までには拡大が収まるだろうと思われる。
 それまでの辛抱を覚悟して、日常生活を平静に送ることが肝要である。
(2020.3.13)