梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《終息への早道》

 「東京新聞朝刊」(2面)に、《国内の新型コロナウィルス感染者》(11日午後)というタイトルの表が載っている。それによると感染者数は1318人、死者数は20人だ。9日現在に比べて、感染者数は109人、死者数は4人増加したことがわかる。拡大か、終息かの瀬戸際である今、事態は拡大を続けており、それに比例して国民の「不安度」もピークに達しているようだ。
 一方、上の表には感染者数の隣に《退院者475人》(11日正午現在)という記載もある。入院者数が明示されていないのでその割合は不明だが、感染者数に対する割合は36%である。専門家によれば80%が「軽快する」ので、今後、退院者もまた増加することは間違いないだろう。
 《だから》今の事態をあまり「深刻」に捉えない方がよい、と私は思う。2009年の「新型インフルエンザウィルス」には(1年余りで)2000万人が感染し、18000人が入院、死者は203人であった。今回の「新型コロナウィルス」の場合が、それ以上に「深刻」であるという確証はない。
 《だから》いたずらに感染者数の拡大を「数えても」意味がない、と私は思う。今の1318人が2000万人に達するまで数え続けるつもりだろうか。死者数についても同様である。いったいぜんたい、国内で毎日何人の死者が出ているか。厚生労働省の調査では「1日あたり3280人」という数字が示されている。つまり、新型(コロナウィルス)肺炎に因るよりも、他の肺炎、インフルエンザ、あるいは心筋梗塞、脳梗塞、癌等々に因る死者の方が圧倒的に多いはずである。にもかかわらず、なぜ今、前者に因る死だけが強調されるのか。それは、そうした方が都合がよい、と考える連中がいるからである。感染が拡大し、死者が続出する深刻な事態になったとき、誰が一番「得をするか」を考えてみればよい。そんなはずはない、みんながひどい目に遭うのだから・・・と思う人は、心優しく善良な「無辜の民」だ。ひどい目に遭い、損をする人が増えれば増えるほど、一部の連中の利益が増大する。その「からくり」は多くの場合、見逃され、後になって判明するのだが、それでは「後の祭り」、今、見抜かなければならない。「朝日新聞デジタル」には、以下の記事もある。
 〈静岡県議会の●●✖✖県議(53)=無所属、焼津市選出=が、インターネットオークションにマスクを大量に出品していたことが分かった。●●氏は9日、静岡県庁で会見を開き、「転売ではない」としたうえで、「議員としての道義的配慮が足らず、誤解を与えてしまった。不快に思われた方に深くおわび申し上げます」と謝罪した。〉
 これは「氷山の一角」であり、全国津々浦々で同種の取引が行われていることは明らかである。 
 今、無辜の民は、ささやかな生活・幸せを守るために、マスクを着用して感染防止に努めている。だがしかし、「効なく」この1年で感染者は2000万人以上に拡大するかもしれない。大切なことは、「感染しても死なない」ことである。専門家は、「感染しても8割は死なない」と証言している。そのことを信じて「自宅療養に徹する」「病院に行かない」「医者を頼らない」ことが《終息への早道》だと、私は思う。
(2020.3.12)