梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私の《病状管理》・8

 いよいよ私の「仮説」を検証する時が来た。その仮説とは以下のとおりである。
《これまでの経過》
 私の診断名は「陳旧性心筋梗塞」で、発症後1年半が経過している。直後から①血液をサラサラにして血液の流れを改善する薬「バイアスピリン100mg」、②血を固まりにくく血液の流れをよくし、血栓ができるのを抑える薬「エフィエント錠3.75mg」、③胃酸の分泌を強く抑える薬「ランソプラゾールOD錠15mg」、④血液中のコレステロールの量を下げる薬「アトルバスタチン錠5mg」、⑤血圧を下げる薬「レ二ベース錠5」、⑥心臓の過剰な働きをおさえて心臓の負担を軽くする薬「カルベジロール錠2.5mg」、その他(以前から服用していた)前立腺肥大の薬3種類を飲み始めた。以後の経過が良好だったので、1年4か月後に②は中止、また吐き気による食欲不振が顕著だったので、③の「ランソプラゾール」を「タケキャブ錠10mg」に変更した。その直後、腹痛、血便(「虚血性大腸炎」の疑い)が生じたため、①「バイアスピリン」を1週間休薬した。その間、⑦細菌による感染症の治療薬「クラビット錠250mg」、⑧整腸剤「ミヤBM錠」を4日分飲んだ。さらにその2週間後(昨年11月19日・発症より1年5か月後)、蕁麻疹症状(「多形紅斑」)が現れたので、⑨「プレドニン錠5mg」、⑩「アレロック錠5」を7日分飲んだ。同時に「薬疹」の疑いがあるため、①「バイアスピリン」を⑪「プラビックス錠75mg」に変更、また③「タケキャブ錠」を「ランソプラゾールOD錠15mg」に戻した。そしてその15日後(12月18日)、下血が現れたので8日間の入院治療となった。診断名は「出血性大腸憩室症の疑い」である。入院中は、絶食(点滴)、流動食、お粥食で過ごし、⑪「プラビックス」は休薬した。入院期間中に下血はなかった。退院日の朝から「プラビックス」を再開したところ、翌日の朝(12月26日)、下血があった。再び「プラビックス」を休薬して別の病院を受診、そこでは「痔出血の疑い」という診断で、⑬止血剤「タジン錠」を5日分処方された。それを飲んで翌日(12月27日)「プラビックス」を服薬したところ、そのまた翌日(12月28日)下血があった。翌日から再々度「プラビックス」休薬したところ、今日(1月8日)まで下血は現れていない。そして朝食後、「バイアスピリン」を1錠飲んだ。


《仮説》 
 血液サラサラの薬を「バイアスピリン」から「プラビックス」に変更したことにより、痔核からの出血が誘発されることになった。だから「プラビックス」を「バイアスピリン」に戻すことによって、下血は現れなくなるだろう。


 ただしこれは素人の「浅はかな」盲信に過ぎない。
〈文献1)循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2002-2003年度合同研究班報告)、文献2)内視鏡時における抗血小板剤の休薬期間の検討(山形県病院誌 2002)、文献3)疾患の概論と薬物動態・薬力学(薬局Vol.50,No.5 1999)、文献4)医薬品情報社 FAX・DIニュース1997.9.2 No.353 、文献5)札幌厚生病院循環 器科ホームページ〉等の資料によれば、「バイアスピリン」と「プラビックス」の特徴(=血小板寿命が7~10日)、作用(=不可逆的)は同じだが、手術前中止時期は前者が「7~10日前、後者が「14日前」、最高血中濃度到達時間は前者が「約0.4時間」、後者が「6.9時間」、作用持続は前者が「7~10日」、後者が「血小板寿命」と示されており、明らかな差違がある。それがどのようなことを意味するか、体にどのような影響があるかなどは全くわからない。
 私の《仮説》は100%外れるだろうが、その時はその時、今度は肛門科を受診するまでだ。また、皮膚科担当医の仮説が正しければ、「多形紅斑」が再発するだろう。でも、度重なる「下血」よりは《まし》だと甘受しよう。
(2020.1.8)