梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

脊柱管狭窄症・Ⅴ・続「MRI検査」

 今日は(3月12日)に受けた「MRI検査」の結果が判る日である。自宅付近に来る送迎バスに乗車して、○○中央病院に向かう。いつもの乗客は2~3人だが、今日はあちこちで手を挙げる人が多く、病院間近では満席になってしまった。こんな日もあるのかと驚いた。受付は9時45分、「5番の前でお待ちください」と言われ、診察室の前にわずかに残っていた椅子に腰掛ける。これからどれくらい待つのだろうか、全くわからない。1時間ほど過ぎると、看護師が「△△さーん」と呼び、患者のもとに行く。「まだ、あなたの前に20人ほど待っています。一人10分として3時間以上かかります。連絡先を教えていただければ、診察時刻をお知らせします。自宅で待機していただいてかまいません」。
△△さんは「それでは自宅待機します。15分ほどで来れますので、その時刻になったら連絡ください」、ということでその場を退去したのだが・・・、5分ほどで戻ってきた。
たまたま知人がいたらしく、その老婆に話かける。「看護師さんに自宅で待機してと言われたので、いったん戻ろうと自宅に電話したけれど主人が出ないの。車でどこかにでかけたらしいわ」「男なんてそういうものよ」。かくて△△さんは再び診察室の前で3時間以上待つ羽目になってしまった。やれやれと思ったその時、突然、非常警報が鳴り出した。「火事です、火事です!本館1回から出火しました。直ちに避難してください」。一同はあわてて周りを見回したが、火が出ている様子は見られない。「スミマセーン、誤報です」という大きな声、車いすを押していたヘルパーの肩にかけたバッグが警報器のボタンに触れたようだ。2~3人の職員が現場に駆けつけたが、警報器の操作に疎く「避難してください」の連呼を止めることができない。ヘルパーは謝り続け、職員は右往左往する。とんだところで○○中央病院の危機管理の実態が暴かれたわけだが、防火管理者は何をしていたのだろうか。
 さて、12時が過ぎた頃(受付から2時間半後)、私は担当医から名前を呼ばれ、診察室に入った。担当医は「やっとMRIができましたね。今日はその結果を見てみましょう」と言いながら、数枚の画像を見ている。「第3腰椎すべり症と言われましたがが・・・」「そうですね、たしかにすべり症があります。4番、5番にも(椎間板)ヘルニアが見られます。ここに狭窄があります」といって画像の箇所を示すが、私には何が何だか判らない。「いずれにしても(最終的には手術するにしても)、今すぐに手術する必要はありません。痛み止めの薬を飲んで、様子を見てください。ただし、この薬は病気そのものを治すわけではないので、そのつもりでいてください」、ということで8週間分の薬(リリカカプセル75mg)を処方された。なるほど、痛み止めを飲みながら「あとは自分で治しなさい」ということか。やってやろうじゃないか、勇気がわいてきた。さしあたっては、福辻鋭記氏のストレッチ、銅冶英雄氏の「痛みナビ体操」を参考にして、運動療法を極めたい。 (2019.3.18)