梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「食欲が出ない」わけ

 福辻鋭記氏から《「食欲が出ない」という質問に回答します》というタイトルのメルマガ配信が届いた。そこには以下のような記述があった。
〈食欲がなくなるのは主に、薬の副作用からなのだとおもいます。薬は主に、胃酸が出るのを抑える働きがあるので、消化が悪く胃粘膜も荒れているのだと思います。まずは、薬の量を少なくしていけると一番良いのですが、薬を減らしたり止めたりするとまた悪い症状が出ても困りますよね。ヨーグルトでもいいのですが、やはりオススメはお粥をとる事です。〉
 私は昨年「急性心筋梗塞」による緊急手術(入院)から退院直後(7月8日)、以下のように綴っている。
〈現在、「急性心筋梗塞」手術後の治療のために、7種類の薬を服用しているが、それだけではない。「前立腺肥大」(前立腺炎)の薬が3種類、「老人性乾皮症」の薬が4種類、「脊柱管狭窄症」、「高血圧症」の薬が各1種類、処方されている。つまり、私は毎日16種類の薬を飲まなければならないということになる。誰が考えても「飲み過ぎ」だと思うだろう。それぞれの薬には副作用があり、肝臓や胃などに少なからずダメージを与えることは明白である。そこで、私は「病」の優先順位を決めなければならない。心臓に比べて足腰、皮膚はそれほど重要ではないか。でも前立腺は除外できない、というわけで毎日10種類の服薬にとどめることにする。あとは、それらの副作用に私の身体が耐えられるかどうか。いずれにしても、服薬は、私の生命を延ばそうとして、逆の効果をもたらすという矛盾をはらんでいる。〉
 それからまもなく7か月を迎える。現状は文字通り「食欲が出ない」。食事の量は往時の半分以下に減った。結果として体重は61kgから52kgに低下した。身長は162cmなので、理想体重に近づいたと喜ぶべきか、それとも体力の減退と憂うべきか・・・は、悩ましい問題である。たしかに、出っ張っていた腹は引っ込み(腹部はしわだらけになってしまった)スタイルは20歳代に戻ったような気もするが、体力、気力は及ぶべくもない。起居持続時間は5~6時間、歩行持続は100歩まで、という実態である。 
 その原因が、福辻氏が述べるように「薬の副作用」であるとすれば、十分に納得できる。循環器内科(手術担当)の主治医からは「薬の服用は勝手に中止しない」旨を厳命されているので、やはり現状のまま、何とか「食欲を出す」方法を見つけ出さなければならない。
(2019.3.5)