梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・60・「僕は泣いちっち」

60「僕は泣いちっち」(詞・浜口庫之助 曲・浜口庫之助 歌・守屋浩)
《寸感》
 浜口庫之助は「泣いちゃった」という日本語を「泣いちっち」、「行っちゃった」を「行行っちっち」とデフォルメした。その音韻が彼の美学にかなったからであろう。そして、守屋浩の、やや翳りのある歌声が曲想を際立たせる。この二人には「有難や節」という傑作もあるが、こちらの方が「詩的」である。
(2023.12.15)