梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・52・「水色のスーツケース」

52 「水色のスーツケース」(詞・井田誠一 曲・利根一郎 歌・灰田勝彦)
《寸感》
 「どこかで誰かが呼ぶような」気がして旅へ出た。荷物は水色のスーツケース、その中には「消えた恋の花束・秘めた歌の数々・数え切れない夢の花束」が入っている。悲しみを忘れるための旅が、南へ向かったとき、幸せをつかむ旅へと変わることができるだろうか。この名曲が生まれたのは1951年・・・、それから23年後、寺山修司も、旅行鞄に「浜昼顔という愛の花」をつめて、一人旅立つ「ぼく」を歌っている。
(2023.12.6)