梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナ《変異種》の正体

 「東京新聞」12月27日付け朝刊のトップ記事は「外国人入国 全て中止 あすから1月末まで 政府発表」という大見出しで、「変異種 都内の2人感染」という見出しの記事も添えられていた。新型コロナウィルスの変異種の感染者が外国で増えているので、その流入を防ぐための水際対策らしい。この変異種は最近、英国で確認されたと報道されているが、12月25日の「虎ノ門ニュース」で、科学者の武田邦彦氏は「その変異種はすでに7月、ブラジルで確認されたもの(にすぎない)」であることを、「ニュースウィーク誌」の記事を根拠に明らかにした。日本にとっては目新しい変異種であり、恐ろしい印象を与えるが、すでに世界では周知のものである。番組では、むしろ「日本では、なぜ今頃、その変異種の報道が始まったのか」「それは、この際、あえて不安材料を与えて国民を(ワクチン接種に向けて)煽るためではないか」という予測までしていた。
 はたして「新型コロナウィルス感染症」と「季節性インフルエンザ」では、どちらが深刻な様相を呈するか。最近はやたらと「感染者数」「有症者数」「重症者数」「死者数」が《過去最多》を更新しているという報道が目立つが、陽性率(陽性者数の検査者数に対する割合)は4%台で不変、発症率(有症者数の陽性者数に対する割合)は12%台、重症化率(重症者数の有症者数に対する割合)は2%台、致死率(死亡者数の陽性者数に対する割合)は1.4%台で、いずれも「不変」(増えていない)のである。PCR検査実施人数が増えれば、陽性者数以下の数値が増えるのは「当然」であり、ただ人数だけをカウントすることは、あまり意味がない。「割合」で推移を見るかぎり、「第三波」は見当たらないのだ。
 一方、インフルエンザの感染者数は例年1千万人、死亡者数は3000人と言われている。この数値は3~4か月の期間内のものだと思われるが、「新型コロナ」の場合は、今年3月以降、ほぼ10か月間で、感染者数22万人、死亡者数3300人に「まだ達していない」のが事実である。
 どちらが重篤な結果をもたらすかは、おのずと明らかであろう。にもかかわらず、この「大騒ぎ」、この「あたふた」(狼狽)感、この「静かな年末年始」ぶりは何故なのか。どうあっても、為政者、追随者たちの「人為的」「意図的」な魂胆の結果ではないかと、邪推せざるを得ないのである。
(2020.12.27)