梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《「総括」・4》

 厚生労働省のホームページでは、5月16日現在、以下の数値が表示されている。
◆PCR検査実施人数240368 ◆陽性者数16237 ◆入院を要する者4179◆重症者232 ◆退院者1153 ◆死亡者725 ◆確認中180
 以上のうち、前日よりも増えたのは①PCR検査実施人数、②退院者、③死亡者であり、減ったのは④入院を要する者、⑤重症者、⑥確認中である。検査数は増えたが、入院者、重症者は減り、退院者は増えているので、事態は「改善」の方向に向かっていると考えてよいか。退院者は増えているが、死亡者も増えている。つまり、感染者の拡大は抑えられているが、死亡者の増加は止められない、というのが現状だ。
 また、上の数値から、以下のことがわかる。検査実施人数の6.7%が陽性者であり、その陽性者のうち入院するのは25.7%である。入院者のうち死亡したのは17.3%であり、致死率は4.4%である。陽性者の68.6%は退院し、退院者は入院者の2.66倍である。
 上の「陽性者数」とは、マスメディアがいう「感染者数」のことだろうが、世界の他国と比べてあまりにも少ないので、信頼度は低い。むしろ「その10倍はいるだろう」という専門家もいる。にもかかわらず、政府もメディアも国民も、「感染者が減るように」「自粛」を要請し、また応じているのはなぜだろうか。「感染者」の中には「無症者」もいる。だから、「感染者」が減ることではなく、「有症者」「重症者」「死亡者」が減るようにすることの方が重要ではないだろうか。「感染者数」の増減に一喜一憂するのではなく、「入院者数」(患者数)に注目すべきなのである。「患者数」は、眼前の事実なのだから容易にカウントできるだろう。意図的に水増ししないかぎり「氷山の一角」などということはあり得ない。
 5月16日現在、「入院を要する者」は全国で4179人(そのうち重症者は232人)に《過ぎない》。はたして、これで日本の医療は崩壊するのだろうか。誰が考えても、そんなはずはない。おかしいのである。どこかで、誰かが「虚偽の情報」(デマ)を流している。もともと「新型コロナウィルス感染症」という病気は、「はやり風邪の一種」にすぎなかった。しかし、このウィルスを利用して「一儲け」を企む面々が、世界を舞台に巧妙な「情報戦」を展開した結果が、今なのではないか。
 2月末以来の《騒ぎ》によって、「大損」をした事業者は数多く報道されている。しかし、「大儲け」をした連中は決して姿を現さない。マスク関連、消毒関連は言うに及ばず、通販業、運送業、宅配業、その他の便乗者も数多く存在するはずである。まさに《風が吹けば桶屋が儲かる》のだ。
 そんな折、今日の「東京新聞」(朝刊・1面)には、《ワクチン開発計画118件 WHO公表 8剤治験 日本普及 来年以降か》というタイトルの記事が載っている。新型コロナウィルスの感染を予防するワクチンが開発されたら、その開発元および資金提供者は、世界的な規模で《大儲け》できることは間違いない。記事では、①米モデルナ、米国立アレルギー感染研究所、②米イノビオ、③中国シノファーム、④英オックスフォード大、⑤独ビオンテック、米ファイザー、⑤大阪大、アンジェス、⑥国立感染研究所、塩野義製薬といった開発元が表示されている。ワクチンの開発には、マイクロソフト社の創業者ビル・ゲイツ氏も意欲的であり、《コロナウィルスとの戦いに、資金提供は惜しまない》そうだが、はたして、どこまで信じていいものやら・・・。「マッチポンプ」(stirring up trouble to get credit from the solution)ではないことを、ただただ、祈るのみである。
(2020.5.17)