梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《「総括」・3》

 ようやく国内の「新型コロナウィルス」の感染拡大(第一波)は終息を迎えた。そこで4月1日から5月15日までの推移を(新聞紙上に公表された)「感染者数」にもとづいて見ると、以下のようなことがわかる。
 4月1日から15日までの半月間は、ほとんどの地域で感染者数が「倍増」している。広島(18.3倍)を筆頭に、島根(13.0倍)、石川(10.7倍)、香川(10.0倍)、沖縄(9.5倍)が突出している。大都市でも、東京(4.1倍)、神奈川(3.8倍)、大阪(3.4倍)、福岡(8.3倍)と軒並み急増した。他に、宮崎(5.6倍)、佐賀(5.0倍)、山口(4.6倍)が目立った。
 次に、4月15日から30日までの半月間は、拡大の「鈍化」傾向が現れ、ほとんどの地域が2倍未満となった。依然として「倍増」(2倍以上)した地域は、富山(3.2倍)、佐賀(2.7倍)、鹿児島(2.5倍)、北海道(2.4倍)である。
 さらに、5月1日から15日までの半月間では、すべての地域が2倍未満、集団感染が発生した愛媛(1.48倍)、「第二波」の北海道(1.25倍)、神奈川(1.20倍)を除けばほとんどが1.1倍未満であり、1.1倍台の地域は東京(1.16倍)、長野(1.15倍)、埼玉(1.12倍)、石川(1.12倍)、栃木(1.11倍)、富山(1.10倍)だけとなった。
 以上が「第一波」の推移であり、感染が確認されてから1か月間(3月)は徐々に増え、その後、半月で急増、ピークを迎え(4月1日から15日)、次の半月間で「鈍化」に向かい、その半月後(5月末日)には終息する、という経過を辿るだろう。
 要するに、「新型コロナウィルス」の感染は1月末から5月末までの4か月間で終わった、ということだ。
 でも、油断は大敵、北海道のように「第二波」が待っている。早ければ「第一波」が終わらないうちに(5月末から)、遅くても今年の冬には襲来するに違いない。そのための準備を怠りなく整えよう。
(2020.5.16)