梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

多形紅斑・『皮膚生検術』

 これまでは一つの症状が治まるとまた新しい症状が、という具合に、一つずつ現れては消えていったが、今回は同時多発的に現れた。昨日(18日月曜日)、「浮腫姓紅斑」に加えて(あるいは付随して)、体温37℃台(最高は37.5℃)の発熱、夕食後は「下痢」「嘔吐」に見舞われた。原因はわからない。朝食はゼリー飲料、牛乳、市販雑炊、昼食は冷凍チャーハン、チーズ、コレカット(飲料水)、夕食は煮魚、しらすおろし、市販雑炊、日本酒五勺。循環器内科主治医からは「食べ過ぎ」に注意するように言われているので、量は少なめにしているが、昼の冷凍チャーハンは一人前を平らげた。それが当たったのかもしれない。消化器内科医からは「虚血性大腸炎の疑い」と言われている。その症状だろうか。しばらく安静にしていると治まったので、今日の朝まで様子を見ることにした。就寝時の血圧は126/68、脈拍87、体温37.5℃。
 本日の起床時、血圧は122/73、脈拍94、体温36.9℃。不快感はないが平熱は35℃台なので、「微熱」がある。脈拍も速い。「浮腫姓紅斑」の症状に変化はない(ほぼ全身に広がった状態が続いている)。昨日の「下痢」「嘔吐」は治まっていたが、念のため朝食は「メイバランス」(流動食)のみで服薬、(予約済みの)大学病院皮膚科に向かった。皮膚科医(女医)は、症状を視診(カメラ撮影)、血液検査の結果、「おくすり手帳」の情報を照らし合わせながら、「バイアスピリン(血液をサラサラにする薬)、タケキャブ(胃酸の分泌を抑える薬)の副作用かもしれません。とりあえず症状を抑えるためステロイド薬(プレドニン)を処方します。また、血液検査だけでは原因がわからないので、『皮膚生検術』をします。現在の診断名は『多形紅斑』ということです。よろしいでしょうか。手術は簡単なもの(局所麻酔、直径4ミリの円形メスを使用し、皮膚を丸くくりぬいて、縫合)ですが一応同意書に署名してください。」私は署名しながら「バイアスピリンを休薬したり再開したりしたことが影響しているのでしょうか」「それはあり得ます。特に再開したときに副作用が現れることがあります。私の方から循環器内科の医師に手紙を書きます。バイアスピリン、タケキャブを他の薬に替えてもらいましょう」ということで、「簡単な手術」の後、私は手紙を持って、駅前の病院に向かった。循環器内科の主治医は手紙を読むと「わかりました。では、バイアスピリンの代わりにクロピドグレル錠(血栓ができるのを抑える薬)、タケキャブの代わりにランソプラゾール(胃酸の分泌を抑える薬)にして様子を見ましょう」ということになった。
 帰宅後、「おくすり説明文書」を見ると、たしかに「バイアスピリン」の副作用には「蕁麻疹、かゆみ、発疹、発汗」とある。加えて「嘔吐、腹痛、胸やけ、便秘、下痢」まである。また「タケキャブ」の副作用には「発疹、便秘、下痢、吐き気」とあった。では、代わりの「クロピドグレル錠」は・・・? 副作用には「発疹、かゆみ、湿疹、蕁麻疹」とある。さらに「ランソプラゾール」にも「発疹、かゆみ、便秘、下痢、発熱」とあるではないか。私は思わず噴き出してしまった。どの薬にしたって「薬疹」の副作用はあるものだ。それに「バイアスピリン」はこの1年半、「タケキャブ」はここ3ヶ月飲み続けている。今、このタイミングで副作用が現れるだろうか。9月末の「浮腫性紅斑」の時は、プレドニンとアレロック、塗り薬だけで治まった。今回も同じ処方だから、治まるかもしれない。もし循環器内科の薬を代えて治まったとしても、その効果があったのか、皮膚科の処方薬で治まったのか、判断できないのではないか。そこで、(素人考えだが)循環器内科の薬(バイアスピリン、タケキャブ)は、まだそのまま続けて様子を見ることにする。結果が楽しみだ。(2019.11.20)