梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私家版・昭和万謡集・35・「一本刀土俵入り」

35 「一本刀土俵入り」(詞・藤間哲郎 曲・桜田誠一 歌・二葉百合子)
《寸感》
 相撲取りを目指すが、一文無しの駒形茂兵衛に、櫛、簪,巾着まで与えて励ます茶屋女・お蔦の「意地」と、十年後、やくざになり果てた茂兵衛が、窮地のお蔦を救う「有様」が、鮮やかに描き出されている。数多い二葉百合子の曲の中でも傑出した「三分間のドラマ」ではないだろうか。
(2023.11.19)

一本刀土俵入 二葉百合子