「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・89
■“対話”における母親の役割 【要約】 サンガー(Sanger,1955)は、何人かの母親の、乳児に対する音声による働きかけの細部を数ヶ月にわたり追跡観察した結果、母親、とくに“良い母親”は、子どもの目覚めている間は、ほとんど子どもに話しかけ、子どもを“音声にひたらせる”と述べている。 母親の... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・89
■“対話”における母親の役割 【要約】 サンガー(Sanger,1955)は、何人かの母親の、乳児に対する音声による働きかけの細部を数ヶ月にわたり追跡観察した結果、母親、とくに“良い母親”は、子どもの目覚めている間は、ほとんど子どもに話しかけ、子どもを“音声にひたらせる”と述べている。 母親の... 続きをみる
私の生活様態は、「病気」「平気」「元気」に三分される。72歳までは「元気モード」が続いていたが、73歳以降は徐々に「病気モード」が始まり、まもなく(1カ月後には)74歳になろうとする今、そのほとんどが「病気モード」で占められている。たまに「平気(平静)モード」が訪れたとしても、長続きすることはな... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・88
《言語訓練の意義》 【要約】 喃語活動における母親の役割、音声模倣における母親の役割と同じことが、母子間の 命名についての音声接触でもあてはまる。まず母親からの積極的な音声的働きかけがある。実物のイヌのいるところで、母親がいつでもイヌと発声する。子どもがこの音声の特性に注意する一方、この音声の表... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・87
■言語訓練(教育的態度) 【要約】 人格化と同一視は、“教育的態度”によってチェックされている。これは、子どもの現在達している水準に適合する仕方で行われる発達促進のための言語訓練の基礎となっている。 《言語訓練の様式》 人間以外の生活体では、母子関係は純粋に生得的な親和関係の実現にとどまり、伝... 続きをみる
昨日の朝(8時30分)の血圧は最高121~127・最低79~83、脈拍73~77であった。午前中に1時間程度外出(買い物)し、午後(14時30分)は「自転車のペダル漕ぎ」を17分(ゆっくり800回)。直後の血圧は最高119~139・最低81~89、脈拍59~66であった。しかし、夕方(17時すぎ... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・86
19 育児者の役割 【要約】 発声活動の言語化が、育児者からの影響に主として依存することは明白である。ラインゴールドら(Rheingold and Bayley,1959)の実験的研究によると、発声の十分な活発さは、ひとりの養育者のもとではじめて期待でき、多数の養育者が交替するときには、十分な効... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・85
18 育児語 【要約】 母親が幼い子どもに向かって用いる語を“育児語”とよぶことにする。育児者が意図的ないし非意図的に、幼児に対してだけ用いる育児語を“特殊育児語”とよぶことにする。これは、子ども自身の発する音声の諸特徴をもっている。以下、特殊育児語の形式と機能を考察し、さらに日本語の育児語につ... 続きをみる
今日も「心臓リハビリ」のために通院した。「タクシーを利用するようではリハビリとはいえない」と考えて、激しい雨の中、電車、バスで病院に向かう。休憩室で一休み、10時30分からリハビリが始まった。この1週間毎日、自転車のペダル漕ぎ(25分・午前午後の2回)、外出(30分~3時間程度)を欠かさずに行っ... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・84
■幼児語 【要約】 “かたこと”には2種類がある。一つは、成人語とは系統のまったくちがう“語”であり、もう一つは成人語からの音韻転化によってできている語である。子どもが最初に形成するのは、ほとんどが前者であり、前者をふくまない子どもはないのであるから、発生論的な見地からは、狭義の“幼児語”は前者... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・83
16 成人語の形成過程 【要約】 少なくとも現代の文明国では、子どもの最初の言語習得がその社会の成人の間で用いられている語形(成人語)を用いることからはじまることはない。はじめ子どもは“かたこと”を用いる。そのなかには、喃語発声、音声模倣に発生的な因果関係をもっているものが多い。これに対して成人... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・82
8 幼児語から成人語へ 【要約】 幼児語が成人語へ変化していく過程は、1歳のある時期に急速に進められる。この期に、ワンワンはイヌとなり、マンマががゴハンとなり、tick-tackがclockになり、miawがcatとなる。この変化が成人の子どもに対する訓練と、子ども自身の観察学習に依存しているこ... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・81
■機能語(助詞) 《助詞機能の分化》 【要約】 日本語の助詞が、文ないし談話できわめて重要な役割を果たすことはいうまでもない。“山は高い”というとき“山”や“高い”はそれぞれ外延と内包をもっているが、助詞“は”にはそれがない。助詞は、同じ文の中のほかの語を規定したり、文を構造づける働きをもつとい... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・80
■動作語 【要約】 一定の動作に伴って生じる一定の発声、あるいは“かけ声”は比較的早く慣用型の音声に近づき、よく分節している。これを“動作語”とよぶことにする。 自分の動作に伴う発声として、物を投げるときのパイ、ものを持ち歩くときのヨイヨイ、などが1歳3ヶ月までに生じ、自分以外のものの運動動作... 続きをみる
「涼しくなれば何とかなる」という思いで「不快感」と闘ってきたのだが・・・、ここ数日間は最高気温が30度を大きく下回り、快適な気候が続いている。しかし、私自身の「不快感」に大きな変化はない。今、少し「安定」していたかと思えば、山の天気のようにめまぐるしく「吐き気」「息切れ」「胸苦しさ」がおそってく... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・79
■要求語 【要約】 《初期発声》 不快、とくに空腹に連合して生じる最初の音声は[ma ma ma...]というような型であることが古くからいわれている(Jespersen.1922;Gesell and Amatruda,1947;Lewis,1948)。しかし、単母音[エ、ア]などに表される音... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・78
■状態語 【要約】 “状態”とは、個体の側の内的な状態のことである。特殊な状態に対応する特殊な語が“状態語”であり、イタイ、ウツクシイ、カワイイなどがこれである。個人の内的な事象が表示されなければならないという点で、対象語の形成の過程とはかなり異なる。 “痛い”という状態の表示の発生過程を検討... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・77
7 語の発生と分化(略) 14 初期の品詞分化 《発達論と品詞分類》(略) 《初期の語の性質》(略) 《対象語》 【要約】 1歳児の語彙は、はじめは感嘆詞であり、つぎにそこから名詞が派生し、つぎに動詞、形容詞、副詞がこの順に生じるといわれてきた(Stern u.Stern,1907;Lewis,... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・76
13 場面と談話 【要約】 場面の性質のちがいが同一人物の談話の性質や量を規定すること、場面の変化が談話に変化をもたらすことは、成人にも幼児にも共通した事実である。われわれの言語行動の特徴の一つは、現実場面による拘束からの離脱にあるけれども、それからの全面的な離脱は、(統合失調症患者にみられるよ... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・75
《初期の質問の形式と機能》 子どもに“疑似質問”といえるものが存在する。真の質問と疑似質問との間の判別は容易ではないが、その基準のおもなものはつぎのようである。 ⑴ 子ども自身がその名を知らないものについて質問する。 ⑵ 答えてやると、その答を反芻する。 ⑶ 答えてやると、緊張がほぐれ、満足した... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・74
《“質問期”》 【要約】 シュテルン(Stern u. Stern,1907)は、1歳6カ月の子どもに、あらゆる椅子を一つ一つ指示しながらその名をたずね、部屋中を駆け回る時期があったと報告し、初期質問は、名をたずねることであり、これは子どもが“すべてのものには名がある”ということを発見したことを... 続きをみる
精神科医・斎藤茂太氏が、「一笑一若、一怒一老」という人生術を提唱している。笑えば笑うほど若くなり、怒れば怒るほど老いが進む、という意味である。それかあらぬか、昨今の日本社会には「笑い」が蔓延している。テレビ、ラジオ、CM画像に登場する人、人、人のほとんどが「一様に」笑っている。フランスの劇... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・73
■質問 《質問の機能》 【要約】 質問は“特定の明白な目的と、独自の聴覚的音声形式と、思考交流における重要な役割とをもつ、特殊な言語的伝達”(Reves,1956)である。質問は、質問者が自分の知らない情報を最も有効・迅速に知るためのすぐれた手段である。 質問が子どもの談話に現れるとき、親は自... 続きをみる
いつもの駅から、いつもの電車に乗った。私の後から、80歳代とおぼしき男性が続き、出入り口付近に立つ。その時、座席(優先席ではない)にすわっていた20歳代とおぼしき若者(男)が、つっと立って、その男性に席を譲った。男性は、ちょっと会釈して、着席、電車は走り出した。どちらも「無表情」、そして「無言」... 続きをみる
これまで「闘病」という言葉は使いたくなかったので「体験記」とか「病状記」とか言ってきた。年老いて「病」と闘ったところで勝てるわけがない、と思ってきたからである。特に、東洋医学では、あるいは仏道では「病」と闘うことではなく、「病と共存する」(一病息災)あるいは「自分と向き合う」ことが推奨されている... 続きをみる
駅の改札口を出ると、テーマパークに向かう道は若いカップルでごった返していた。手をつなぎ、笑顔を交わしながら歩を進めている。しかし、その流れに遅れて最後尾を歩くカップルがいた。小柄な女性が跛行している。男性は寄り添いながらゆっくり、ゆっくり歩いている。近道の歩道橋は避け、遠方の横断歩道へ向かった。... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・72
■談話的指示 【要約】 対人的な場面での指示行為の機能は、主題の伝達ということである。場面にある特定の刺激事象を場面から分離し選択的にそれを表示することもふくむが、それが完全に行えないということも意味している。一つの指示行為は、主題がその人であることは表示できても、その人の顔立ちについてなのか、... 続きをみる
「幼児の言語発達」(村田孝次著・培風館・1968年)抄読・71
■拒否と否定 《拒否》 【要約】 拒否態度は0歳2カ月ごろから、一定の形で明確に示される。哺乳瓶の代わりにおしゃぶりを与えると、頭を振り、怒って泣く。拒否は、もともと情動的な排除、あるいは嫌悪の直接の結果生じる行動であり、生得的な傾向である。拒否には、否定の性質である“真でないことの表明”はふく... 続きをみる