梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

自民党「裏金」議員の《処分》

 自民党は、4月4日、派閥の政治資金パーティー裏金事件に関係した安部派、二階派の議員ら39人を処分した。しかし、それで終わりではない、と私は思う。そもそも39人は「選ばれて」議員になっているのだから、選ばれた議員の悪行は、選んだ側にも責任があるのである。では、誰が選んだのか。いうまでもなく、国民である。国民の中の誰か。選挙は無記名で行われるので、個人を特定することはできないが、どこの国民が選んだかかは、選挙区をみればわかる。
 今、主な当該議員22人の選挙区を見ると,北は北海道から、南は九州にいたるまで、ほぼ全国にわたっていることがわかる。
《北海道》堀井学(室蘭市、苫小牧市、登別市、伊達市)
《福島県》菅家一郎(いわき市、相馬市、南相馬市、会津若松市、白河市、喜多方市)
《栃木県》梁和生(大田原市、矢板市、那須塩原市、那須烏山市、那須郡)
《埼玉県》三ツ林裕巳(草加市、八潮市、三郷市)中根一幸(鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市)
《東京都》下村博文(板橋区)平沢勝栄(葛飾区)萩生田光一(八王子市)小田原潔(立川市、日野市)
《千葉県》松野博一(千葉市、市原市)林幹雄(銚子市、成田市、旭市、匝瑳市、香取市)
《静岡県》塩谷立(浜松市)
《和歌山県全域》世耕弘成・参議院
《大阪府》宗清皇一(八尾市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市)
《兵庫県》西村康稔(明石市、淡路市)
《福井県》高木毅(敦賀市、小浜市、鯖江市、越前市)
《石川県全域》宮本周司・参議院
《岡山県全域》《広島県全域》《鳥取県全域》《島根県全域》《山口県全域》杉田水脈・参議院
《福岡県》武田良太(田川市、行橋市、豊前市)
《大分県》衛藤征士郎(日田市、佐伯市、臼杵市、津久見市、竹田市、由布市、豊後大野市、玖珠郡)
【全国全域】橋本聖子、山谷えり子・参議院
 ここに挙げたのは処分された議員の一部なので、他にも該当する選挙区が多くあるに違いない。少なくとも上記の地域の住民(当然、私自身も含まれる)は、当該議員を選んだこと(当選させたこと)を、心底から恥じなければならない、と私は思う。もしかしたら、候補者だった当該議員から「いくらかもらっていたのではないか」と勘ぐりたくもなる。それなら、いっそのこと該当する地域住民の選挙権を停止してみたら、などと妄想してしまうほどだ。
 我欲のために(見返りを求めるために)利用する、受けた恩恵に返礼する、といったことに選挙が使われるかぎり、今回のような「金まみれの」政治は終わらない。その国・地域の民度の低さが露呈されるだけである。 
(2024.4.6)