梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2018年3月のブログ記事

  • 「トカゲのしっぽ切り」

     「証人喚問」に応じた東大出の元官僚は、公文書改竄の責任の一切を、自らが負おうとしている。それが官僚の美学だと永田町の面々から称賛されるかもしれない。彼が責任を負ってくれたおかげで、自分の地位が守られるからである。いわゆる「トカゲのしっぽ切り」の典型的な結末である。しかし、そんなことで幕が下りるわ... 続きをみる

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  • 「証人喚問」という《茶番劇》

     東大出の元官僚と政治家が繰り広げる「証人喚問」という茶番劇は、子どもたちが「嘘のつきかた」を学ぶには格好の教材になる。政治家曰く「○○からの“指示”はあったか」それに対して元官僚の証言は「ございません」。この喚問は、元官僚に真実を語らせないようにするため、いわば政治家の「助け船」である。“指示”... 続きをみる

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  • 親方・貴乃花の「万事休す」

     大相撲界の暴力体質を糾弾していた親方・貴乃花は、事もあろうか、愛弟子が暴力をふるったことに困惑している。「きわめて深刻だ」「一兵卒から出直す」などとと述べたそうだが、万事休すだ。ただちに「貴乃花部屋」を閉鎖・解散し、みずからは廃業する道しか残されていない。なぜなら、横綱・日馬富士の暴力に断固とし... 続きをみる

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  • 旅に病んで夢は枯野をかけめぐる・1

     松尾芭蕉は晩年に「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」という名句を詠んだ。この句をどのように解釈すればよいか。見解は二つに分かれると思う。  その一。今は冬、私は旅の途中で病臥に伏している。しかし、いずれその病が癒えれば再び山野を駆け巡ることができるだろう。春になり健康を取り戻した自分の姿を、今、夢... 続きをみる

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  • 「病む」ということ

     今日は亡母(没年・1945年)の73回忌である。読経を聞きながら、自分自身の「死」について考えた。  「生老病死」とは、仏教語で「生まれること、老いること、病むこと、死ぬことの四つの苦。人生における免れない四つの苦悩のこと」である。四苦八苦の「四苦」に相当する。この苦とは、「自分ではどうすること... 続きをみる

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  • 「腰が痛くなる」話

     頼まれた仕事を、年甲斐もなく引き受けて、あちこちと歩き回っていたら、とうとう歩行困難な状態に陥ってしまった。腰痛は七年前に発症し、整骨院に通って悪化を防いできたが、痛みが右臀部、右大腿部へと広がって「もういけません」、50メートルほど歩くと前に進めなくなる。横断歩道も、青信号が点いている間に渡り... 続きをみる

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  • 「日本語はどういう言語か」(三浦つとむ著・季節社・1971年)通読・40

    3 国語教育と言語理論 【要約】  中学校、高等学校で文法を教えるという、教育の現場からいくつかの問題が提出されている。その一つ二つについて考えてみる。  その一つは、文法の教育ということをどう理解しどう実践するかという問題である。文法が法則的な学問であり、文法を習うことは公式について勉強すること... 続きをみる

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