梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

2024年1月のブログ記事

  • 「愛着障害」(岡田尊司・光文社新書・2011年)要約・3

    【愛着の絆と愛着行動】 ・いったん、愛着の絆がしっかりと形成されると、それは容易に消されることはない。愛着におけるもう一つの重要な特性は、この半永久的な持続性である。(「母をたずねて三千里」のマルコ少年) ・愛着の絆で結ばれた存在を求め、そのそばにいようとする行動を、愛着理論の生みの親であるイギリ... 続きをみる

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  • 「愛着障害」(岡田尊司・光文社新書・2011年)要約・2

    《第1章 愛着障害と愛着スタイル》 【あなたの行動を支配する愛着スタイル】 ・愛着スタイルは、その人の根底で、対人関係だけでなく、感情や認知、行動に幅広く影響していることがわかってきた。パーソナリティを形造る重要なベースとなっているのである。 ・安定した愛着スタイルのもち主は。相手が助けになってく... 続きをみる

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  • 「愛着障害」(岡田尊司・光文社新書・2011年)要約・1

    《はじめに 本当の問題は「発達」よりも「愛着」にあった》 ・人間が幸福に生きていくうえで、もっとも大切なもの・・それは安定した愛着である。愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格のもっとも土台の部分を形造っている。 ・昨今。「発達障害」ということばが盛んに言われ、それが子どもだけでなく、大人に... 続きをみる

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  • 松本人志と市川猿之助

     巷間では松本人志に関する取沙汰が喧しい昨今だが、市川猿之助に関してはさっぱり音沙汰がない。両者にはいくつかの共通点が見られる。まず芸人として有名人であり、その道の「稼ぎ頭」であったようだ。二人とも出版社から同様の案件(性加害疑惑)で告発されたが、事実関係は「闇の中」である。市川猿之助は、その疑惑... 続きをみる

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  • 昭和万葉集・100・《結び》

    《結び》  千年後まで遺したい昭和歌謡100曲を選び終えた。「万葉集」に収められた歌は約4500首だから、「私家版 昭和万謡集」は遠く及ばない。「昭和歌謡百人一曲」といった」ところであろうか。今後は引き続き「私家版・昭和拾遺集」を編んでみたい。 (2024.1.27)

  • 昭和万葉集・100・「忠義ざくら」

    100「忠義ざくら」(詞・南條歌美 曲・細川潤一 歌・三門順子) 《寸感》  大衆演劇「鹿島順一劇団」の舞踊ショーで、今は亡き三代目・鹿島順一が初々しく踊った「忠義ざくら」が忘れられない。以下は15年前に綴った駄文である。 (2024.1.27)

  • 昭和万葉集・99・「落城の賦」

    99「落城の賦」(詞・宮崎耿平 曲・古賀政男 歌・森繁久弥) 《寸感》  島原の乱をテーマにした歌である。島原の乱とは《江戸時代初期、松倉勝家領の肥前国島原と同国唐津寺沢堅高領の肥後国天草の領民が連帯し、少年益田(天草)四郎時貞を盟主に蜂起し、島原の原城にたてこもって幕府・諸藩兵と戦い、全員誅殺さ... 続きをみる

  • 昭和万葉集・98・「木浦の涙」

    98「木浦の涙」(詞・文一石 曲・孫牧人 歌・李蘭影) 《寸感》  日本統治時代の1935年に発売され、朝鮮全土で一躍大ヒットし、湖南地方の南端に位置する港町・木浦を全国的に知らしめた。そして木浦出身で当時10代後半だった新人歌手の李蘭影は一気にスター歌手へと上りつめた。(略)歌詞を一見すると、木... 続きをみる

  • 昭和万葉集・97・「海ほおずきの歌」

    97「海ほおずきの歌」(詞・田中一郎 曲・山本雅之 歌・近藤圭子) 《寸感》  『昭和の童謡アラカルト』(長田暁二)によれば、作詞者は水戸一高出身のキングレコード常務。大洗から芸者として水戸に出てきた女性たちを、海ほおずきに重ねて書いた。大洗の「磯節」をモチーフに、その子供版として作られた。「おか... 続きをみる

  • 昭和万葉集・96・「かえりの港」

    96「かえりの港」(詞・豊田一雄 曲・豊田一雄 歌・藤島恒夫) 《寸感》  島へ寄らずにこのまま行こうか、それとも島に帰って愛しい人に逢おうかか。船の上でしばし逡巡する。・・・逢ったところでどうなるものか。やはり、このまま行こう。帰る港はもうないのだ。 (2024.1.23)

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  • 昭和万葉集・95・「奥飛騨慕情」

    95「奥飛騨慕情」(詞・竜鉄也 曲・竜鉄也 歌・竜鉄也) 《寸感》  風の噂をたよりに、奥飛騨にやって来た。平湯、栃尾、福地、新穂高などなど、湯の宿を巡り歩いたが、君には逢えない。「未練残した盃に」雷鳥の声だけが悲しく鳴り響いている。 (2024.1.22)

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  • 昭和万葉集・94・「夕日は落ちて」

    94「夕日は落ちて」(詞・久保田宵二 曲・江口夜詩 歌・松平晃、豆千代) 《寸感》  故郷を捨てて、愛馬とともに大陸にやって来た。七つの丘を越え、湖のほとりに辿りついたが、荒野を彷徨うばかりで、日が暮れる。花が開き、鳥がさえずる春となったが、寂しさは変わらない。恋しい人を思い浮かべながら、今日も旅... 続きをみる

  • 昭和万葉集・93・「春よ来い」

    93「春よ来い」(詞・相馬御風 曲・弘田龍太郎 歌・朝田 椛) 《寸感》  朝田椛ちゃん(3歳)、詞の中から「みいちゃん」が抜け出したような風情で、のびのびと歌っている。その歌声を聴いていると、もう春がそこまで来ているようで、希望が湧いてくる。 (2024.1.20)

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  • 昭和万葉集・92・「子連れ狼」

    92「子連れ狼」(詞・小池一雄 曲・吉田正 歌・橋幸夫、若草児童合唱団) 《寸感》妻を亡くした介錯人・拝一刀が浪人となって柳生一族に復讐をはたそうとする物語。一刀には3歳の男児・大五郎がいる。雨の中、刺客を業とする父の帰りを、東屋で待っている。「帰りゃあいいが、帰らんときゃあ、この子も雨ん中、骨に... 続きをみる

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  • 昭和万葉集・91・「おばこ船頭さん」

    91「おばこ船頭さん」(詞・吉川静夫 曲・吉田正 歌・野村雪子) 《寸感》  娘船頭さんは,今、二十歳、まもなく嫁入りだ。でも、それは親がきめたこと、私には愛しい人がいる。さればこそ「月の夜船のかげで泣き」「うす紅つけて」忍び逢うのだった。 (2024.1.18)

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  • 昭和万葉集・90・「夕焼け雲」

    90「夕焼け雲」(詞・横井弘 曲・一代のぼる 歌・千昌夫) 《寸感》  二人が育った,懐かしいあの村に、「帰らない」と決めていた。でも、「帰りたい」という想いがつのる。「我慢、我慢・・・」と抑えているうちに、いつしか月日がたち、本当に帰れなくなってしまった。夕焼け雲だけが、故郷をしのばせる。 (2... 続きをみる

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  • 昭和万葉集・89・「愛ちゃんはお嫁に」

    89「愛ちゃんはお嫁に」(詞・原俊雄 曲・村沢良介 歌・鈴木三重子) 《寸感》「愛ちゃんは太郎の嫁になる」「愛ちゃんはおいらに嘘ついた,嘘とは知らずに真に受けて、夢を見ていた甘い夢」でも、しかたないさ、あきらめよう。そして「愛ちゃんは太郎と幸せに」と、おいらは祈るのだった。嗚呼・・・・・。 (20... 続きをみる

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  • 昭和万葉集・88・「長崎の鐘」

    88「長崎の鐘」(詞・サトウハチロー 曲・古関裕而 歌・藤山一郎) 《寸感》  原爆に斃れた人々へのレクイエムである。この詞は、自らも被爆、妻を亡くしながらも被爆者たちの治療に当たった永井隆博士の著書「長崎の鐘」をモチーフに作られた。後日、この曲に感動した永井博士は,以下の歌を寄せたという。「新し... 続きをみる

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  • 昭和万葉集・87・「おぼろ月十三夜」

    87「おぼろ月十三夜」(詞・時雨音羽 曲・佐々木俊一 歌・榎本美佐江) 《寸感》  榎本美佐江は、小笠原美津子の「十三夜」もカバーしているが、「おぼろ月十三夜」の方が情感豊かではないか。月の光の下で逢瀬を重ねる男女のやるせなさが、彼女の歌声によって艶やかに浮かび上がる。時雨音羽には「君恋し」「出船... 続きをみる

  • 昭和万葉集・86・「ガード下の靴みがき」

    86「ガード下の靴みがき」(詞・宮川哲夫 曲・利根一郎 歌・宮城まり子) 《寸感》  「東京シューシャインボーイ」とは対照的に、「ガード下の靴磨き」は哀愁を帯びている。「おいら貧しい靴磨き 夜になっても帰れない」、墨に汚れたポケットには小さなお札だけ、「風の寒さやひもじさにゃ 馴れているから泣かな... 続きをみる

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  • 昭和万葉集・85・「東京シューシャインボーイ」

    85「東京シューシャインボーイ」(詞・井田誠一 曲・佐野鋤 歌・暁テル子) 《寸簡》  戦後、東京のあちこちの繁華街では「靴磨き」という商売が繁盛、仕事にあぶれた人たちが手っ取り早い職業としたが、中には未成年の「ボーイ」たちも混じっていた。いつも来てくれる「お嬢さん」に憧れ、一緒にダンスをしたいな... 続きをみる

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  • 「吉本興業」と「週刊文春」の不毛な《対立・抗争》

     年末から「吉本興業」と「週刊文春」の抗争が始まり、裁判沙汰になりそうな気配だと、メディアは面白半分に伝えているが、全く不毛な争いだと、私は思う。「週刊文春」は、《いつ》《どこで》《誰が》《どうしたか》を明らかにしたが、「吉本興業」はそれが事実無根だと否定している。ならば、「吉本興業」は、「週刊文... 続きをみる

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  • 昭和万葉集・84・「港のおりくさん」

    84「港のおりくさん」(詞・伊藤岸子 曲・徳久地政信 歌・若原一郎) 《寸感》  若原一郎には珍しいマドロス演歌である。浅黄にこぼれ松葉の暖簾をくぐれば、縞のお召しに西陣帯を締めた「おりくさん」が微笑んでいる。彼女に酌でほろ酔い機嫌、明日の船出を前にした一時のやすらぎか・・・。詞にある「与太さん」... 続きをみる

  • 私家版・昭和万謡集・83・「田舎のバス」

    83「田舎のバス」(詞・三木鶏郎 曲・三木鶏郎 歌・中村メイコ) 《寸感》  バスガールは田舎にもいる。東京と違って、道ばたで草を食っている牛をどけたり、パンクして動けなくなったオンボロ車を馬に引かせたり、仕事の量は倍増する。「それでもお客さん、ガマンをしてるよ、それは私が美人だから」。 (202... 続きをみる

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  • 私家版・昭和万謡集・82・「俺ら東京さ行ぐだ」

    82「俺ら東京さ行ぐだ」(詞・吉幾三 曲・吉幾三 歌・吉幾三) 《寸感》  望郷の思いが濃い昭和歌謡の中では、異色である。「オラこんな村イヤダ」と断言したが、都会生活に憧れるわけでもなく「東京でベゴ飼うだ」と言ってのけるあたりが、真骨頂というべきか。和製ラップのはしりと言われている。 (2024.... 続きをみる

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  • 能登半島地震発生から1週間

     能登半島地震が発生してから1週間が経過した。これまでの死者128人、不明者195人、孤立集落には2300人が取り残されている。今、最優先で行わなければならないことは何か。いうまでもなく「人命救助」だ。不明者の救出に全力を注ぐべきだが、それと併行して重要なことは、これ以上の死者(関連死)を出さない... 続きをみる

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  • 私家版・昭和万謡集・81・「ちゃっきり節」

    81「ちゃっきり節」(詞・北原白秋 曲・町田佳声 歌・市丸) 《寸感》  昭和2年に静岡を舞台につくられた新民謡である。北原白秋は、当初「きゃあるが鳴くから雨ずらよ」と書いたが、方言を取り入れて「きゃあるが鳴くん《て》」と改めた。しかし、歌手の市丸は「きゃあるが鳴くん《で》」に代え、「雨ずらよ」を... 続きをみる

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  • 私家版・昭和万謡集・80・「スタコイ東京」

    80「スタコイ東京」(詞・北原じゅん 曲・北原じゅん 歌・菊地正夫) 《寸感》  「スタコイ」とは、鳥取弁で「すばしこい」「油断も隙もならない」という意味らしい。東京に出て来た息子が、故郷の母親から「気をつけなさい」と警告されたことを思い出して気を引き締める様子が窺われる。菊地正夫は、後日、城卓矢... 続きをみる

  • 私家版・昭和万謡集・79・「東京のバスガール」

    79「東京のバスガール」(詞・丘灯至夫 曲・上原げんと 歌・初代コロムビアローズ) 《寸感》  昭和の乗り合いバスには車掌が居た。若い女性たちで「バスガール」と呼ばれていた。 悲しいこと、辛いことがあっても,努めて明るく振る舞う。乗客は、そんな姿を見て「今日もがんばろう」と元気づけられたのである。... 続きをみる

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  • 私家版・昭和万謡集・78・「蟹工船」

    78「蟹工船」(詞・星野哲郎 曲・遠藤実 歌・村田英雄) 《寸感》  命をかけてカムチャッカへ向かう、漁師の心意気を村田英雄が、小気味よく描出する。 大衆演劇「鹿島順一劇団」の舞踊ショーで観た、三代目・鹿島順一の「蟹工船」が忘れられない。 (2024.1.5)

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  • 「箱根駅伝」で思うこと

     恒例の箱根駅伝をテレビで観て、いつも思うことがある。その一は、各チームの監督が車で伴走し、選手に声をかける光景である。「そうそうそう、動いているよ」「・・・頑張って、男になれ!」などという言葉が断片的に聞こえる。監督が声をかければ選手が元気になることはわかるが、走者と走者の間に監督の乗った車が割... 続きをみる

  • 私家版・昭和万謡集・77・「吉良の仁吉」

    77「吉良の仁吉」(詞・萩原四朗 曲・山下五朗 歌・美ち奴)  《寸感》  縄張り争いで神戸の長吉から助力を頼まれた吉良の仁吉は、三月前にもらったばかりの恋女房・お菊に離縁状を渡して荒神山へ向かう。長吉の敵・安濃徳次郎はお菊の実兄だったのだ。争いは勝ったが、仁吉は落命した。義理を通した仁吉の生き様... 続きをみる

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  • 私家版・昭和万謡集・76・「お島千太郎旅唄」

    76「お島千太郎旅唄」(詞・西条八十 曲。奥山貞吉 歌・伊藤久男・二葉あき子) 《寸感》  昭和15年に作られた映画「蛇姫様」(原作・川口松太郎)の主題歌である。旅役者に身をやつした千太郎の復讐劇、一座の花形・お島との交情を、伊藤久男と二葉あき子の澄み切った歌声が、艶やかに描出する。 (2024.... 続きをみる