梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「病気」「平気」「元気」

 私の生活様態は、「病気」「平気」「元気」に三分される。72歳までは「元気モード」が続いていたが、73歳以降は徐々に「病気モード」が始まり、まもなく(1カ月後には)74歳になろうとする今、そのほとんどが「病気モード」で占められている。たまに「平気(平静)モード」が訪れたとしても、長続きすることはない。
 私の旧友は10年ほど前に脳梗塞を発症し、以来、車椅子の生活を余儀なくされているが、つねに「平気モード」を維持し、決して「病気モード」に陥らない。その精神力の源泉は何なのだろうか。家族との絆?、信仰(信心)?、使命感? ぜひ学びたいと思うのだが、その機会は作れない。
 私の「病気モード」とは、以下の通りである。
朝6時前後に起床する。(空腹による?)「吐き気」で目が覚める場合もあれば、「元気」が目指せそうに「良い気分」の時もある。体重を測り、57kg台を維持しているかチェックする。血圧・脈拍・体温を測り大きな変動がないかどうか。最高160を超えた場合は、血圧降下剤を服薬する。朝食はトースト、スクランブルエッグ、トマト、レタス、コーヒーにニンニク1片、ヨーグルト、朝食後の服薬(10種類)、午前中は読書または外出(「心臓リハビリ」を含む)、昼食は麺類とキウイ,、午後は、休憩(午睡を含む)、テレビ(またはDVD)視聴、入浴、夕食は和食(魚、豆腐、野菜、味噌汁)にアボガド半分、夕食後の服薬(3種類)、テレビ視聴、21時以降、血圧・脈拍・体温測定、CDを聴きながら就寝・・・。
 この生活パターンは、まず「病気」を前提とし「再発防止」を目的としている。しかし、それを続ける限り「病気モード」を脱することはできない。まず、生活を「平気モード」に転換し、「元気モード」を取り戻すことが肝要だ。具体的には、「服薬」「測定」「制限」といった「規則正しい生活」を終了し、何があっても「平気」だと思える生活に切り替えることが必要だということである。さすがに「服薬」を休薬にするためには、主治医の許可が必要だが、「測定」や「制限」はすぐにでも中止できる。器械の測定値よりも、自分自身の「感覚」を優先したい。要するに「気分がよければ」それでいいのである。器械の数値で「気分を悪く」するよりも、それを無視して「ケセラセラ」、不快感を吹き飛ばす「元気」を目指したい。(2018.9.28)