梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「ここまでわかった新型コロナ」(上久保靖彦、小川榮太郎・WAC・2020年)要約・30・《■新型コロナのワクチン接種は危ない》

■新型コロナのワクチン接種は危ない
【小川】ワクチンについて伺いたい。
【上久保】(既感染が殆どなので)ワクチンは必要ない。風邪なんだからワクチンは作れないはずだ。一般的にワクチンは、強い特徴を持つ感染症であれば作りやすいが、無症候が多数であるような、特徴の希薄な感染症では作りにくいものだ。
【小川】しかし、日本政府もアストラゼネカ社と来春に6千万人分、一億2千万回分のワクチンの基本合意をしている。
【上久保】こんなワクチン開発競争、大変なことが起こるかもわからない。そもそもワクチンの接種は危ないと思う。私たちの研究では、先祖型のSを免疫にしてワクチンを作ろうとすると、S型に対する抗体ができ、そこにG型が感染したら、ADEを起こすことになるから。
【小川】ワクチンの免疫原をどの変異型にするかによって、劇症化を人為的に起こす事になってしまう。
【上久保】G型変異が怖いわけだからG型のモチーフを免疫原にした場合は、中和抗体ができる。しかし、S型やK型を免疫原にした場合には中和抗体はできない。だからそこに新しいH型とか、Y型が感染した場合に、中和抗体ができていないのだからADEが起こる。この変異と免疫の関係を正確に知らない人達がワクチンを開発すると、ワクチンの為に大量の死者が出る可能性は否定できない。
【小川】どの場合ADEが起きるかはゲノム解析でわかるのか。
【上久保】GISAIDから、これは中和抗体ができるか、できないかということを解明できていると思う。どうしても開発しなければいけない事情があるなら協力してもいい。しかし、ワクチンでは更なる危険性がある。仮にワクチンができても翌年は効かなくなる。抗体がきえていくから。インフルエンザを毎年打つのと同じ原理だ。今回のコロナでワクチンを作る危険性は、違うウィルスの変異型が来たときにADEが起こる可能性があるという点だ。G型でワクチンを作っても、新たな変異になった際に中和抗体を失っている可能性もある。だから、コロナに関しては、従来、ワクチンを作ったことはなかった。人間の免疫だけで対応できるし、作った時のADEの可能性に方が、新型コロナのウィルスよりも「未知」で危険だと私は危惧している。インフルエンザの抗体は流行に合わせて、ワクチンを毎年変えているから危険性はない。だからコロナも毎年変えていかないとダメだ。同じものを打つと危険だ。
【小川】順天堂大学特任教授の奥村康先生も、ワクチンが成功する可能性自体が低いと言っていた。あまりにも平凡な顔をしたウィルスで、それを識別できるワクチンを人工的に作れるとは考えられないとか。
【上久保】そのとおりだ。
【小川】ただ、アメリカやヨーロッパは怖いから、どうしてもワクチンがほしいというのは理解できる。どうすればいいか。
【上久保】一つ、有用な方法がある。今回、作ったG型のワクチンをずっと保管しておいて、コロナがもう1回来た時使いなさいと申し上げる。約10年後かもしれないが、変異予測と組み合わせないと危険だ。


【感想】
・日本人がコロナワクチンを打つことの是非は、二分されていると思う。ウィルスを培養し弱毒化したものを打つのではなく、今回は遺伝子を注射することと同じであり、どのような結果が生じるか「未知」だからである。通常は、副作用(危険度)の有無を《数年かけて》確かめるが、今回はその余裕がなく《見切り発車》の感が強い。現場の医師たちにも《迷い》があるようで、どうすればよいか、はっきりしない。
(2021.2.18)