梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

参院選の《愚》

 参院選が公示された。でも、毎度のことながら、「参議院は良識の府」ということに《誰一人として》頓着しない、ということに空いた口がふさがらない。よくもまあ、懲りもせずに、政党所属者の面々がしゃしゃり出てくるものよ。何度でも言うが、参議院はあなたたち政党政治家が登場する場ではないのである。あなたたちが出しゃばれば出しゃばるほど、参議院本来の機能は失われ、「第二の衆議院」化してしまうのだ。各政党が議席を争うなら、衆議院とどこがちがうのか。同じものは二つは要らない。
 参議院議員は代議士ではない。参議院議員は「党議」に拘束されない。参議院議員は《個人の立場で》議論することが要求される。それは、衆議院を抑制・均衡・補完する機能を持たなければならないからだ。。参議院議員の被選挙権は(衆議院議員が25歳以上であるのに対して)30歳以上である。したがって、衆議院と参議院では「次元(ステージ)が違う」のである。参議院議員は衆議院議員よりも「年長者」であり、「見識」も豊かでなければならない。だからこそ「良識の府」といわれるのだが、実態はどうか。
 今日の新聞で立候補者を見ると、「比例代表」では全員が政党所属者、「選挙区」では、
全立候補者数209人のうち無所属者30人(14%)、そのうち政党から推薦されている者が12人おり、純然たる無所属者は18人(9%弱)に過ぎない。私に言わせれば、この18人を除けば、すべて政党との関連がある限り、参議院議員として「失格」なのである。しかし、そうした決まり(法律)がないので、各政党、政党所属者は「恥も外聞も無く」大手を振って選挙に参加しているのだ。まさに「良識に欠けた」振る舞いに映る。 以上の理由で、私は今回の参議院議員選挙も投票できない。投票したくても参議院議員の資格に相当する立候補者がいないのだ。たしか前回は「支持政党なし」といったグループがあったようだが、いつのまにか雲散霧消してしまったか。どうにかしてくれませんか・・・。
(2019.7.5)