梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

私の戦後70年・「太郎花子国語の本」(教科書)

 小学校の国語教科書は「太郎花子国語の本」であった。一年から六年まで一貫して太郎、花子の兄妹が登場し、その生活が描かれる。今、私の手元には「おはよう」「あかいとりことり」「ゆうやけこやけ」(一年上中下))、「ひばりのうた」「青いお空」(二年上下)、「みどりの教室」(四年上)「田園のしらべ」(六年上)が残存している。「おはよう」の巻末には〈みなさんがこれからだんだんおおきくなるにつれて、たろうさんたちもおおきくなっていきます。どういうふうにおおきくなるか・・・それはこの「たろうはなここくごのほん」のまきまきにでてきます。みなさんのおともだちとしてはずかしくない、りっぱなひとになるでしょう。どうか、このこどもたちをかわいがってあげてください〉というコメントが添えられている。事実、私たちはこの教科書に登場する様々な人々を通して、「読み書き」の技能ばかりか「考え方」「生き方」の基礎・基本を学ぶことができたのである。(2015.4.12)