梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「老いる」ということ・Ⅴ

 三十代をミソジ(三十路)、以降を同様にヨソジ(四十路)、イソジ(五十路)、ムソジ(六十路)という。では七十代は・・・?、多分、ナソジ?、そう思いながら、「七十路」をインターネットで検索すると驚いた。冒頭のサイトから高齢者のポルノ画像で埋め尽くされている。タイトルに曰く「七十路の動画89件 動画エロタレスト」「70代還暦高齢熟女動画クロチクビ」「七十路・老婆のカテゴリ・年増宴 人妻熟女動画まとめ」「七十路、70代熟女エロ動画」等々が延々と続き、お目当ての「七十路の読み方は?」は何と十番目に登場する有様であった。不覚にも途中のサイトを検索しそうになったが、待て待て!と自制して、ようやく目的のサイトに辿り着いた次第である。もとより、画像は「醜悪」なものほど伝達力がある、と相場が決まっている。今さら、往時の「ロマンポルノ」を思い出して何になる、それにしても皆さんお元気で何より・・・などと思いながら、「七十路」はナナソジと読むことを確認したのであった。気を取り直して一句、《七十路や次々増える「診察券」》。オソマツ!
 ・・・・・「老いる」とは、そういうことなのである。