梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「健康寿命」

 日本人男性の「健康寿命」(生まれてから何年間健康でいられるかという年齢)は、72歳だといわれている。まったくその通りで、私は72歳まで日常生活に大きな支障を感じていなかったが、誕生月の10月を過ぎると、立て続けに「頭痛」(頭皮神経痛)、「高血圧症」、「持続歩行困難」(腰部脊椎管狭窄症)、「急性心筋梗塞」を発症し、いまだに自宅療養を強いられている有様だ。その生活は「塩分制限」「断酒」「断煙」が条件であり、なんとも味気ない。加えて、様々な不快感が(入れ替わり立ち替わり)生じてくる。たとえば、「吐き気」、たとえば「息苦しさ」、たとえば「だるさ」、たとえば「不眠」、たとえば「食欲減退」などなど、そのたびに、原因を探ろうとして、新しい病名を発見する、最近では「後鼻漏」「逆流性食道炎」という慢性病があることを知った。いずれも「老化」が原因の一つだとすれば「むべなるかな」、いさぎよく受け入れなければならない。
 これまで72年間も、無病息災の生活を続けてこられたことに感謝することの方が先であろう。心ならずも鬼籍に入ってしまった人々に比べれば、幸せという他はない。まだ「平均寿命」(生まれてから何年間生きられるかという年齢)までには8年あるが、あとどれくらい生きられるかは全く不明である。いつ「その時」が来てもおかしくないのだから、悔いのない日々を送ろうと思う。(2018.9.9)