梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「障害者水増し」問題・責任のとり方

 連日「障害者水増し」問題が報道され、厚生労働大臣が記者会見で謝罪したそうだが、「謝罪すれば済む」という問題ではない。なぜこのようなことが起きたか、などと今さら考える必要もない。事は単純明快である。要するに、各省庁においては、障害者の存在など「屁とも思っていない」からである。障害者を雇用する「意味」「価値」「理念」を全く理解していないからである。今日の報道では、衆院、さらには全国の裁判所でも「水増し」が行われており、衆院事務局は「障害者雇用促進法に定める障害者雇用の対象範囲の解釈に誤りがあった」と説明したそうである(時事通信社)。わずかに「水増しの難」を免れた所は「警察庁」「金融庁」「内閣法制局」「海上保安庁」「個人情報保護委員会」「原子力規制委員会」であった。その他の省庁は、すべて「障害者雇用の対象範囲の解釈」を誤ったのであり、その責任をとらなければならない。具体的には、省であれば大臣、庁であれば長官を筆頭に、関係者全員はただちに「引責辞任」するべきである。それが、「再発防止」の唯一無二の手段であることを肝銘しなければならない。 
 関係者全員に申し上げる。「あなたたちが頭を下げても問題は解決しない。なぜなら、他ならぬあなたたちが《しでかした》問題なのだから。あなたたちの「存在」が、この問題の原因なのですよ。だから、ただちに辞めなさい。それが問題の解決につながるのです。それが頭を下げることなのです。形ばかりで《謝罪》《反省》のポーズをとることは、このへんで終わりにしませんか。未来を担う子どもたちが見ていますよ。恥ずかしくありませんか?」
(2018.8.29)