梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

NHK「紅白歌合戦」のオソマツ!

 NHK紅白歌合戦の視聴率は、北島三郎が初出場した昭和38年(第14回)・81.4%であったが、平成11年(第50回)・50.8%を境に下降の一途を辿り、スマップが解散した平成28年(第67回)は40.2%まで落ち込んだ。往時に比べ「半減」していることは明らかであり、もはや「国民的番組」と称することはできない。
 今回の眼目(演出)はどうやら、「シンゴジラ」がNHKホールに襲来するのを出演者の演奏で撃退するところにあったようだが、結果は幼児番組に「劣るとも優らない」オソマツさ、開いた口がふさがらなかった。もし、本気でそのような演出を全うしようとするなら、NHKは直ちに番組を中止し、会場に居る全員には「避難指示」、視聴者にはテレビを消して「静かに待避するよう」呼びかける覚悟が必要であった。その方がよっぽど鮮やかな結果を招いたであろう。安倍首相得意の「危機管理」、正体不明のミサイル攻撃に対する国民の「避難訓練」を実現できたからである。加えて、67年に亘って繰り返されている有名無実の「国民的番組」に有終の美を飾れたかもしれない。
 しかし、番組は自らの演出を無視(児戯扱い)してそのまま進行・・・、視聴者投票では圧倒的有利だった白組が負けるという「蛇足」まで添えられた。オソマツ!