梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

大衆演劇・劇団素描「不二浪劇団」(座長・瀬川伸太郎)

【不二浪劇団】(座長・瀬川伸太郎)〈平成20年9月公演・秋田こまち健康ランド〉
「劇団紹介」によれば、〈不二浪劇団 不二浪企画所属。平成8(1996)年、現太夫元・不二浪新太郎(初代・瀬川伸太郎)から、現座長・二代目瀬川伸太郎へと受け継がれる。関東を中心に活動をしているが、平成15(2003)年の九州公演における成果により、徐々に活動範囲を広げている。関東の劇団独特の、いなせで粋、写実的な芸風に特長がある。座長 瀬川伸太郎昭和52(1977)年7月13日生まれ。神奈川県出身。血液型A型。初舞台3歳。中学を卒業後、初代に弟子入りし、二代目・瀬川伸太郎として座長修行を開始。3年後、18歳で座長となる。初代に心酔し、その芸を受け継ぐべく、精進を続けている〉とある。また、キャッチフレーズは〈粋でいなせな熱い舞台。そのスケール感と男っぽい魅力で人気を集めている。二代目・瀬川伸太郎と、花形・神楽坂美佳をはじめとする若手たちの熱のこもった演技をお楽しみ下さい〉であった。芝居の外題は「振袖吉五郎」。しかし、どのような筋書きであったか、まったく思い出せない。多分、吉五郎は座長、十手持ちに梅の井けん字、盲目の父親役がでていたような気がするのだが・・・。梅の井けん字が天童よしかつとの「絡み」の中で、「これがホントの手遅れだ」とギャグをとばしたこと、閉幕後の口上で、座長が「今日、夜の部はお休みです。どこかに遊びに行きたいのですが、いいとこ知りませんか?」などと客に尋ねていたことは憶えているのだが・・・。舞踊ショーでは、梅本小夜子の笠姿、梅の井けん字の女形(武家の女房風)、小学校6年生に成長した梅の井みきの艶姿が印象に残った。劇場の「こまち健康ランド」の方はよく憶えている。「食楽亭あかり」で食べたにぎり寿司は、さすが秋田の新鮮な食材、たいそうの美味であった。
(2008.9.18)