梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「吉本興業」と「週刊文春」の不毛な《対立・抗争》

 年末から「吉本興業」と「週刊文春」の抗争が始まり、裁判沙汰になりそうな気配だと、メディアは面白半分に伝えているが、全く不毛な争いだと、私は思う。「週刊文春」は、《いつ》《どこで》《誰が》《どうしたか》を明らかにしたが、「吉本興業」はそれが事実無根だと否定している。ならば、「吉本興業」は、「週刊文春」が明らかにした《いつ》《どこで》《誰が》《何をしたか》のすべてが「捏造」であることを実証すればよい。もともと事実無根なのだから、すべてを《証拠をあげて》否定できるはずである。そして否定できなければならない。《誰が》《何をしたか》は、大物芸人といわれる本人自身が否定しているのだから今さら証明する必要はないだろう。しかし《いつ》《どこで》は、第三者の証言と物証が必要である。特に、性的加害を行ったとされる場所、某ホテルのスイートホームが当日に使用された形跡があるかどうか、従業員の証言、関係書類が明らかにされなければならない。つまり、特定された月日(当日)に、大物芸人ら一行はホテルに来なかった、スイートホームを使用しなかった、ということが実証されれば、事実無根ということになる。「吉本興業」は「週刊文春」に抗議すると同時に、それが事実無根であることを実証しなければならない。裁判などという手続きをとるまでもなく、すべてが調べればわかることなのである。
 なぜ「吉本興業」はそれをしないのだろうか。さればこそ、この対立・抗争は不毛なのだ。しかし、このことをネタに一儲けを企む面々は、対立が深まり、長引き、さらに飛び火することを期待しているのだから、手に負えない。
(2024.1.11)