梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

昭和万葉集・84・「港のおりくさん」

84「港のおりくさん」(詞・伊藤岸子 曲・徳久地政信 歌・若原一郎)
《寸感》
 若原一郎には珍しいマドロス演歌である。浅黄にこぼれ松葉の暖簾をくぐれば、縞のお召しに西陣帯を締めた「おりくさん」が微笑んでいる。彼女に酌でほろ酔い機嫌、明日の船出を前にした一時のやすらぎか・・・。詞にある「与太さん」とは誰なのか、謎である。
(2024.1.11)