梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

《もしも》の話

 厚生労働省のホームページには、7月24日現在の「PCR検査実施人数」(697512):A、「陽性者数」(27956):B、「入院治療を必要とする者」(5635):C、「重症者数」(68):D、「退院者数」(21328):E、「死亡者数」(992):Fが( )内のように公表されている。
 この数値をもとに、《もし全国民にPCR検査を実施したらどのような数値が算出できるか》を考えてみた。
 まず、陽性者数の検査者数に対する割合(B÷A)は、4.0%だから、約1億2000万人のうち480万人(100人に4人の割合)が「陽性者」ということになる。
 そのうち「入院治療を必要とする者」の割合(C÷B)は20.1%だから、約10万人が「入院を治療を必要とする」すなわち《患者》である。
 さらに、「重症者」の《患者》全体にに対する割合(D÷C)は1.2%だから、重症者は約1万2000人である。
 致死率は少なく見積もって0.2%だとすれば、死亡者は2千人、上の数値(F÷B)にもとづけば3.5%になるので死亡者は3万5千人ということになる。
一方、治癒率(退院者数の陽性者数に対する割合:E÷B)は76.2%だから、患者10万人のうち7万6200人が退院できる。
 要するに、現在の感染者数は480万人、患者数は10万人、重症者数は1万2千人。今後、そのうち7万6200人は快癒し退院できるが、2万人~3万人が死亡するかもしれない、という《予想》ができる。
 通常の季節性インフルエンザの感染者(患者)は1千万人、死者は推計1万人(厚生労働省ホームページ)といわれているので、上の《予想》値は《全くの的外れ》とは言えず、現在の公表値は《その一部》が徐々に顕在化される《過程》にあるのかもしれない。
(2020.7.25)