梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「コロナ時代」の《嘘八百》

 今や、為政者(政府、地方自治体の首長)、専門家、メディア関係者、ジャーナリストの面々は、誰でも「平気で嘘をつく」「嘘がばれても決して訂正(謝罪)しない」「しらを切り通す」(ことができる)時代になった。まさに2020年の「コロナ時代」は、《嘘八百》が、大手を振ってまかり通る、虚妄な(悲しい)時代になってしまったのである。
 今日も「東京新聞」朝刊1面には「1都3県 感染300人超 都243人最多更新」という大見出しが踊っている。これを見た読者はどう思うだろうか。「・・・またか」、「いよいよ第二波の襲来か」「今度は最多の死者が出るかも知れない」等々、いずれにせよ「爽快な気分」とはほど遠く「重苦しい」気分もしくは恐怖感を煽られることは間違いない。なるほど記事の内容に(数字的には)嘘はないだろう。しかし、そもそも「新型コロナ」とは《どんな疫病なのか》《感染とはどういうことなのか》《感染経路はどのようなものか》といった大前提が不明確なまま、いたずらに《人数》だけをカウントすることは、無意味であり、空虚な情報を流し続けることは「嘘をつくこと」と大差ないのである。新聞、テレビの使命は、《真実を知らせる》ことであり、扇情的な情報を「切り売り」することではない。
 まず、①「新型コロナ」は正体不明だから細心の注意が必要だという情報は何の役にも立たない。その疫病はどのような「病毒性」を持っているのか、インフルエンザと比べてどちらの致死率が高いのか、つぎに②「感染」とは、ウィルスが体内に入る、増殖する、発症する段階のいずれを指すか、③「空気感染」をするのかしないのか、④マスクは何のために必要なのか(うつさないためか、うつらないためか、マスク関連業者を儲けさせるためか)、さらに7月に入り⑤「感染者」は再び拡大し始めたが、「発症者」、「死者」はどうなのか、外出自粛要請、緊急事態宣言を発出しない理由、根拠は何か、⑥今年1月から7月まで(前半)の死者数は、例年に比べて(コロナによる死者の分だけ)増えているのか、⑦これまでに感染して無症状のまま終わった人にPCR検査を行うとどんな結果が出るのか、⑧PCR検査で)「感染者」を見つける目的は何なのか、といった問題に答を出すことが、為政者、専門家、メディア関係者、ジャーナリストの使命・責務なのだ。
 かつて専門家の一人は「感染者の数は誰にもわからない。公表値の10倍かもしれないし20倍か知れない」と言ったが、そんな数を数え続けて何になるのか。陽性率は5~6%だから、国民の600万人~720万人はいるだろう。それが遅々として進まないPCR検査によって「少しずつ少しずつ」明らかになっているだけの話ではないのか。
 私の調査(厚生労働省ホームページ)によれば7月の10日間で、陽性者(感染者?)は1996人、要入院者は1002人増えたが、重症者は9人減り、死亡者は8人増に過ぎない。この間に他の疾患、その他の理由で死んだ人は何人いるのか。全国で1日当たりの死者数は3000人と言われている。それと比べても、大した数ではないということは誰にでもわかる。
 事実、「コロナはただの風邪」と主張している識者も(少数ながら)存在する。徳島大学名誉教授・大橋眞氏、中部大学教授・武田邦彦氏、医師の吉野敏明氏(誠敬会クリニック会会長・東京都中央区銀座)、石黒成治氏(もりえい病院・三重県桑名市)、そして東京都知事選に立候補した国民主権党党首・平塚正幸氏らである。ちなみに平塚氏の確定得票数は8997票だ。当選者の3661371票に比べれば《論外の少数だ》(遠く及ばない)が、それが《嘘八百》(何が真実で何が嘘なのか全く不透明な)の時代を《見事に》象徴していると、私は思う。 
(2020.7.11)