梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

信心(信仰)のポイント

 「苦しいとき(困ったとき)の神頼み」という言葉があるが、苦しいとき、困ったときに神仏を頼っても効果は期待できない。普段は神仏を大事にしていないのに、困ったときだけ「お願い」するというのは虫が良すぎるからである。
 信心で最も大切なことは、お願いしたり祈ったりすることではなく、《感謝する心をもつこと》だと思う。たとえ苦しくても、まだ辛抱できるときに、そのことを感謝するのである。「ありがとうございます。この程度で収まっているのもあなた(神仏)様のおかげです」というように。そう念じながら「ナムアミダブツ」「オオヤマネズノミコト」「オオ、主イエスキリストよ」「ナムミョウホウレンゲキョウ」などと唱えるのがよい。病に罹っている場合など、不快感や苦痛の激しいときではなく、小康状態のとき、「今日は気分がいい」というときなど、「ありがとうございます。おかげさまで今日は快いひとときを過ごすことができました」と感謝し、そのときの気分や体調を《記憶にとどめる》ことがポイントである。つまり、《体調や気分がいい》という快感と《感謝の祈り》を結びつけるのだ。 反対に、「苦しいときに神頼み」をすると、《苦痛や不快感》が《神頼み》と結びついてしまい、神頼み(祈り)=苦痛・不快感という等式が成り立ってしまう。 
 要は、その逆をめざすこと、神頼み(祈り・感謝)=快感という等式を、自分の中に創り出すこと、それが信心(信仰)の一歩ではないだろうか。
 そうすれば、本当に苦しくなったとき、辛抱できなくなったとき、「神頼み」の効果が顕れるかもしれない。
 だから、私はつねに「ありがとうございます。おかげさまでまだ辛抱できます。」と神仏に感謝するよう心がけている。
(2021.5.8)

「愛知県知事リコール不正署名事件」の《真相》・4

 愛知県知事リコールの会の事務局長が、署名書き写しの依頼を認めたことについて、5月6日の「虎ノ門ニュース」で、ジャーナリストの有本香氏と科学者の武田邦彦氏が言及している。いよいよ、リコール運動に関与した両氏が「責任をとる」段になったかと、期待して見聞したのだが・・・。武田氏は《相変わらず》選管やマスコミが《リコールに協力的ではなかった》という従来の主張を繰り返す。有本氏は《詳しい事情も知らぬまま》、《事務局長の段取りに従ってしまった》という《脇の甘さ》を露呈するだけで、だらだらと30分間も《堂々巡り》の話に終始していた。武田氏も有本氏も、ボランティアの受任者が《一所懸命に》《誠実に》リコール運動を展開していたというのなら、みずからも《一所懸命に》責任を果たさなければならないのではないか。
 私は3日前(5月4日)にも〈さて、高須氏は自らの責任を明言したが、彼とともに当初の記者会見に同席した(リコール運動に加担した)武田邦彦氏、百田尚樹氏、竹田恒泰氏、有本香氏らはどのような責任をとるつもりなのだろうか。興味深く、動向を見続けたい。お天道様が観ていますぞ。〉と書いたが、どのように責任をとればよいか戸惑っているようなので、具体的に提言する。今回の事件は、あくまでもリコールを推進する側の問題、いわば「身内の不始末」なのだから、解決するのも「身内の尽力」によらなければならない。選管やマスコミを当てにする前に、《命をかけて》(一所懸命に)リコール運動を「やり直す」ことが《すべて》なのだ。「虎ノ門ニュース」で、番組制作社の山田晃氏から「膿を出し切った後で、もう一度リコール運動をやる気はないか」と問われたが、武田氏も有本氏も「それはもう無理でしょう」と情けない言辞を吐いていた。まるで「他人事」のようであり、その程度の覚悟でリコール運動に関与したのかと思わざるを得ない。
 一人の首長を解職しようとするのに、《その程度の覚悟》で臨むとは《ふざけた話》だ。あきらめることも、逃げることもできない。リコール運動に関与した以上、最後まで趣旨を貫徹する(リコールを実現しようとする)のが、両氏(科学者、ジャーナリスト)のとるべき道なのである。
(2021.5.7)

「愛知県知事リコール不正署名事件」の《真相》・3

 「東京新聞」5月3日付け朝刊・1面に「署名書き写し依頼 認める 愛知リコール 事務局長『焦っていた』」という見出しの記事が載った。半月前(4月16日)には、常滑市議の山田豪氏が、不正署名は「事務局長が指示」したことを認め、その時点では田中孝博事務局長は「証言正しいか答えられない」としていたが、とうとう自らが「署名書き写し依頼」を認めたのである。では、なぜ田中事務局長は《今になって》事実を認めたのだろうか。半月前には名古屋市長選が行われており、自分の発言が選挙結果に影響することを恐れたから?・・・。名古屋市長選は不正署名への関与を疑われていた河村たかし氏が、《苦戦の末》当選した。だから、《内心ほっとして》もう事実を認めても差し支えないと考えたのだろうか。記事には〈田中氏は依頼した理由を「予定通り署名が集まっておらず、焦っていた」と説明。活動団体会長で美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が、会員制交流サイト(SNS)などで署名集めの順調さを発信していたことなどから「恥をかかせるわけにはいかなかった」とも語った。〉と記されているが、当の高須氏は「もしそれが事実なら、会長として一切の責任をとる」と明言している由、恥をかかせたうえで詰め腹を切らせるなんて、とんだ《事務局長》があったものだ。
 事はそれだけでは終わらない。高須氏と河村市長の信頼関係まで毀れたらしく、リコール運動を発起したのは河村市長なのに、高須氏は「(河村氏から)自分が発起人にさせられてしまった」ことに憤りを感じている。結果、二人は今、《絶交状態》にあるということだ。
 さて、高須氏は自らの責任を明言したが、彼とともに当初の記者会見に同席した(リコール運動に加担した)武田邦彦氏、百田尚樹氏、竹田恒泰氏、有本香氏らはどのような責任をとるつもりなのだろうか。興味深く、動向を見続けたい。お天道様が見ていますぞ。
(2021.5.4)