梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「愛知県知事リコール不正署名事件」の《真相》・4

 愛知県知事リコールの会の事務局長が、署名書き写しの依頼を認めたことについて、5月6日の「虎ノ門ニュース」で、ジャーナリストの有本香氏と科学者の武田邦彦氏が言及している。いよいよ、リコール運動に関与した両氏が「責任をとる」段になったかと、期待して見聞したのだが・・・。武田氏は《相変わらず》選管やマスコミが《リコールに協力的ではなかった》という従来の主張を繰り返す。有本氏は《詳しい事情も知らぬまま》、《事務局長の段取りに従ってしまった》という《脇の甘さ》を露呈するだけで、だらだらと30分間も《堂々巡り》の話に終始していた。武田氏も有本氏も、ボランティアの受任者が《一所懸命に》《誠実に》リコール運動を展開していたというのなら、みずからも《一所懸命に》責任を果たさなければならないのではないか。
 私は3日前(5月4日)にも〈さて、高須氏は自らの責任を明言したが、彼とともに当初の記者会見に同席した(リコール運動に加担した)武田邦彦氏、百田尚樹氏、竹田恒泰氏、有本香氏らはどのような責任をとるつもりなのだろうか。興味深く、動向を見続けたい。お天道様が観ていますぞ。〉と書いたが、どのように責任をとればよいか戸惑っているようなので、具体的に提言する。今回の事件は、あくまでもリコールを推進する側の問題、いわば「身内の不始末」なのだから、解決するのも「身内の尽力」によらなければならない。選管やマスコミを当てにする前に、《命をかけて》(一所懸命に)リコール運動を「やり直す」ことが《すべて》なのだ。「虎ノ門ニュース」で、番組制作社の山田晃氏から「膿を出し切った後で、もう一度リコール運動をやる気はないか」と問われたが、武田氏も有本氏も「それはもう無理でしょう」と情けない言辞を吐いていた。まるで「他人事」のようであり、その程度の覚悟でリコール運動に関与したのかと思わざるを得ない。
 一人の首長を解職しようとするのに、《その程度の覚悟》で臨むとは《ふざけた話》だ。あきらめることも、逃げることもできない。リコール運動に関与した以上、最後まで趣旨を貫徹する(リコールを実現しようとする)のが、両氏(科学者、ジャーナリスト)のとるべき道なのである。
(2021.5.7)