梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「旧約聖書」通読・《創世記》・第5章

■第5章
アダムの系図:神が人を創造した時、神にかたどって造り、彼らを男と女とに創造した。神は彼らを祝福して、その名をアダムと名づけた。
・アダムは130歳になって、自分のかたちのような男の子を生み、セツと名づけた。その後、800年生きて、ほかに男子と女子を生んだ。930歳でアダムは死んだ。
・セツは105歳になって、エノスを生んだ。807年生きて、男子と女子を生んだ。セツは912歳で死んだ。
・エノスは90歳になって、カイナンを生んだ。その後815年生きて、男子と女子を生んだ。エノスは905歳で死んだ。
・カイナンは70歳になって、マハラレルを生んだ。その後840年生きて、男子と女子を生んだ。カイナンは910歳で死んだ。
・マハラレル・・65歳でヤレド・・830年、男子・女子・・・895歳で死。
・ヤレド・・162歳でエノク・・800年、男子・女子・・・962歳で死。
・エノク・・65歳でメトセラ・・300年、男子・女子・・・369歳で神にとられた。
・メトセラ・・187歳でレメク・・782年、男子・女子・・・969歳で死。
・レメク・・182歳でノア・・595年、男子・女子・・・777歳で死。
・ノアは500歳になってセム、ハム、ヤペテを生んだ。


*アダム(930歳)→セツ(912歳)→エノス(905歳)→カイナン(910歳)→マハラレル(895歳)→ヤレド(962歳)→エノク(369歳)→メトセラ(969歳)→レメク(777歳)⇒《ノア》
(2021.9.4)

「旧約聖書」通読・《創世記》・第4章

■第4章
・エバはみごもり、カインを産んだ。彼女はまたその弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。日がたって、カインは地の産物を持ってきて主に供え物とした。アベルもまた羊の肥えたものを持ってきた。主はアベルとその供え物を顧みたが、カインとその供え物は顧みなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。主はカインに言った。「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。正しいことをしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しいことをしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません」
・カインは弟アベルに言った。「さあ、野原へ行こう」彼らが野に行ったとき、カインはアベルに立ちかかって、これを殺した。主はカインに言った。「アベルはどこにいますか」カインは答えた。「知りません。私が弟の番人でしょうか」主は言った。「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。今あなたはのろわれてこの土地を離れなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。あなたが土地を耕しても、土地はあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう」
・カインは主に言った。「私の罪は重くて負いきれません。あなたはきょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません。わたしを見つける人は誰でもわたしを殺すでしょう」
・主はカインに言った。「いや、そうではない。カインを殺す者は七倍の復讐を受けるでしょう」そして主はカインを見つける者が、彼を打ち殺すことがないように、彼に一つのしるしをつけた。カインは主の前を去って、エデンの東、ノドの地に住んだ。


・カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をエノクと名づけた。エノクにはイラデが生まれた。イラデの子はメホヤエル、メホヤエルの子はメトサエル、メトサエルの子はレメクである。レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダといい、ひとりの名はチラといった。アダはヤバルを産んだ。彼は天幕に住んで、家畜を飼う者の先祖となった。その弟の名はユバルといった。彼は琴や笛を執るすべての者の先祖となった。チラもまたトバルカインを産んだ。彼は青銅や鉄のすべての刃物を鍛える者となった。トバルカインの妹をナアマといった。
・レメクはその妻たちに言った。「アダとチラよ、わたしの声を聞け、レメクの妻たちよ、わたしの言葉に耳を傾けよ。わたしは受ける傷のために人を殺し、受ける打ち傷のために、わたしは若者を殺す。カインのための復讐が七倍ならば、レメクのための復讐は七十七倍」。
・アダムはまたその妻を知った。彼女は男の子を産み、その名をセツと名づけて言った。
「カインがアベルを殺したので、神はアベルの代わりに、ひとりの子をわたしに授けられました」。セツにもまた男の子が生まれた。彼はその名をエノスと名づけた。この時、人々は主の名を呼び始めた。
(2021.9.3)

「旧約聖書」通読・《創世記》・第3章

■第3章
・主なる神が造った野の生き物の中で、へびが最も狡猾であった。へびは女に言った。「園にあるどの木からも取って食べるなと、本当に神が言われたのですか」女はへびに言った。「園の木を食べることは許されていますが、中央にある木の実を取って食べるな、これに触れるな、死んではけないからと神は言われました」へびは女に言った。「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」女がその木を見ると、それは食べるのによく、美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。すると、ふたりの目が開け、自分たちの裸であることがわかったので、いちじくの葉をつづり合わせて、腰に巻いた。
・彼らは、園の中に神が歩む音を聞いた。そこで人とその妻とは、木の間に身を隠した。神は人に呼びかけて言った。「あなたはどこにいるのか」彼は答えた。「わたしは裸だったので、恐れて身を隠したのです」神は言った。「あなたが裸であるのを、誰が知らせたのか。食べるなと命じておいた木から、あなたは取って食べたのか」人は答えた。「私と一緒にしてくださったあの女が、木から取ってくれたので、わたしは食べたのです」神は女に言った。「なんということをしたのです」女は答えた。「へびがわたしをだましたのです。それでわたしは食べました」神はへびに言った。「おまえはすべての家畜、野のすべての獣のうち、最ものろわれる。おまえは腹で這いあるき、一生、ちりを食べるであろう。わたしは恨みをおく。おまえと女とのあいだに、おまえのすえと女のすえとのあいだに、彼はおまえのかしらを砕き、おまえは彼のかかとを砕くであろう」次に女に言った。「わたしはあなたの産みの苦しみを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。それでもなお、あなたは夫を慕い、彼はあなたを治めるであろう」さらに人に言った。「地はあなたのためにのろわれ、あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。あなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰る、あなたは土から取られたのだから。あなたはちりだからちりに帰る」・人はその妻の名をエバと名づけた。彼女がすべて生きた者の母だからである。
・神は人とその妻とのために皮の着物を造って、彼らに着せた。
・神は言った。「見よ、人は善悪を知るものとなった。彼は命の木からも取って食べ、永久に生きるかもしれない」
・そこで神は彼をエデンの園から追い出して、人が造られたその土を耕させた。神は人を追い出し、エデンの園の東にケルピムと、回る炎のつるぎとを置いて、命の木の道を守らせた。
(2021.9.2)