梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

昭和万葉集・87・「おぼろ月十三夜」

87「おぼろ月十三夜」(詞・時雨音羽 曲・佐々木俊一 歌・榎本美佐江)
《寸感》
 榎本美佐江は、小笠原美津子の「十三夜」もカバーしているが、「おぼろ月十三夜」の方が情感豊かではないか。月の光の下で逢瀬を重ねる男女のやるせなさが、彼女の歌声によって艶やかに浮かび上がる。時雨音羽には「君恋し」「出船の港」「鉾をおさめて」、童謡の「スキー」などの有名な作品があるが、この曲は隠れた名曲ではないだろうか。
(2024.1.14)