梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「本当はこわくない新型コロナウィルス」(井上正康・方丈社・2020年)通読・20《ワクチン幻想を疑え!》

■ワクチン幻想を疑え!
・現代のワクチン開発は、ウィルスや細菌などを弱毒化して用いる古典的方法ではない。ウィルスの特定部位を決めて、そこに結合する特異的抗体をつくらせる遺伝子工学的手法が主流だ。8月20日現在で約169種類以上のワクチンが世界で開発中であり、約30種が臨床試験に入っている。
・ワクチンは病原体に対する有効な武器だが、強い副作用や後遺症が大きな問題になることがある。特に変異の激しいウィルスでは抗体と結合することで病態が悪化して死亡する抗体依存性感染増強(ADE)が起こる可能性がある。
・大半の健康な日本人にとっては、新型コロナウィルスもインフルエンザ並みの風邪ウィルスに過ぎないので、ワクチンは安全性を十分検討した後で、必要な場合のみ接種すればよい。


■治療薬の開発のめどは?
・アビガンの効果は極めて限定的だ。
・治療薬やワクチンに対しては、過剰に期待せず、日常的な感染予防に努めることが大切である。


■コロナ時代の免疫パスポート
・新型コロナウィルスは東アジアの健康な人々には通常の風邪ウィルスと大差ない。
・今回の新型コロナウィルスでは、東アジアの民族的HLA特性、コロナ仲間に対する交差免疫、弱毒株の後に強毒株が上陸したことによる免疫強化作用(ブースター効果)などの幸運に恵まれ、日本では欧米や南半球のような甚大な被害は免れた。
・しかし、今も世界中で新たな変異株が誕生しており、国内でも新たな新型コロナが誕生する可能性もある。
・新型変異ウィルスの脅威は民族の免疫特性に大きく左右されるので、今後は国境を越える際、および高齢者施設や医療施設での施設内感染を防止する目的で、ワクチンや抗体検査などの“免疫パスポート”が必要になる場合があると思われる。
・コロナウィルスに対する日本人の免疫特性や抗体の特色を網羅的に解析することにより、やがて再来する「次の波」に対して、過剰反応せずに必要かつ有効な科学的対策を準備しておくことが、日本政府や医学研究者の緊急の課題である。


【感想】
・新型コロナウィルスの感染症については、ワクチンも治療薬も、あまり期待できないということがわかった。さればこそ、国民がそのことを理解・認識する前に、不安を煽り立て、誰もがワクチンに「飛びつく」ような雰囲気作りをしているのではあるまいか。誰が?・・・それがわかれば苦労はないが、ワクチンで「一儲け」を企んでいる輩、それに便乗して「それなりの利益」を得ようとしている連中であることは間違いないだろう。
(2021.1.14)