梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「厚生労働省ホームページ」の読み方・2

 厚生労働省のホームページを見ると、まず「新型コロナウィルス感染症について」というページがあり、はじめに【国内の現在の状況について】で様々な数値(人数)が表示されている。
 それによると、4月4日12時の時点で、《PCR検査陽性者数》PCR検査者42882(+3436)、PCR検査陽性者2935(+318)、《PCR検査陽性者の有症・無症の別》有症状者2051(+213)、無症状者311(+24)、症状有無確認中573(+81)、《入退院の状況》入院治療を要する者2291(+251)、うち軽中度症の者(無症状者を含む)1247(+229)、うち人工呼吸器及び集中治療室に入院している者69(+5)、うち確認中389(-67)、うち入院待機中の者13(+3)、症状有無確認中573(+81)、退院した者575(+61)、死亡者69(+6)、という数字が示されている。
 以上から、何がわかるか。
①PCR検査者は前日から3436人増え、42882人となった。そのうち、陽性者は318人増え2935人(6.8%)となった。
②陽性者のうち、有症状者は213人増え2051人(69.8%)、無症状者は24人増え311人(10.5%)、症状有無確認中は81人増え573人(19.5%)である。
③入院治療を要する者は前日から251人増え2291人(陽性者の78%)、そのうち軽中度症の者は229人増えて1247人(54.4%)、人工呼吸器及び集中治療室に入院している者は5人増えて69人(3.0%)、うち確認中の者は67人減って389人(16.9%)、うち入院待機中は3人増えて13人(0.5%)、症状有無確認中は81人増えて573人(25.0%)
④退院した者は61人増えて575人(陽性者の19.5%)である。死亡者は6人増えて69人(2.3%)となった。
 ではどんなことがわからないか。
①《入退院の状況》にある、入院治療を要する者とは、PCR検査陽性者のうちなのか、
有症状者だけでなく無症状者、症状有無確認中の者も含まれるのか。
②また、入院治療を要する者のうち「確認中の者」と「症状有無確認中」はどのように違うのか。誰が《確認中》なのか。
 ことほどさように、これらの表示はたいそうわかりにくい。意図的にそうしていると疑われても仕方がないだろう。そして、国民が最も知りたいこと、感染はいつごろ終息するのか、という判断材料は全く示されていない。「わからない」といえばそれまでだが、要するに、その数値が「増えつつあるのか」「減りつつあるのか」を《前日比》で示すべきなのである。
 私の計算によれば、①PCR検査者数は増えていない。②PCR検査陽性者数は増えている。③有症状者も増えている。④無症状者は増えていない。⑤要入院者は増えている。
⑥そのうち軽中度者は増えている。⑦重篤者は増えていない。⑧退院者は増えている。
⑨死亡者は《かろうじて》増えていない。
以上が、厚生労働省のホームページ、【国内の現在の状況について】から読み取れることである。
(2020.4.5)