梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「旧約聖書」通読・《創世記》・第9章

■第9章
・神はノアとその子らとを祝福して彼らに言った。「生めよ、ふえよ、地に満ちよ。地のすべての獣、すべての鳥、地に這うすべてのもの、海のすべて魚は恐れおののいて、あなたがたの支配に服し、すべての生きて動くものはあなたがたの食物となるであろう。さきに青草をあたえたように、わたしはこれらのものを皆あなたがたにあたえる。しかし、肉を、その命である血のままで、食べてはならない。あなたがたの命の血を流すものには、わたしは必ず報復するであろう。いかなる獣にも報復する。兄弟である人にも、わたしは人の命のために。報復するであろう。人の血を流すものは、人に血を流される。神が自分のかたちに人を造ったゆえに。あなたがたは、生めよ、ふえよ、地に群がり、地の上にふえよ」。
・神はノアとその子らに言った。「わたしはあなた方および後の子孫と契約を立てる。また、箱舟から出たすべての生き物すなわち鳥、家畜、獣と契約を立てよう。この契約によりすべての者は洪水によって滅ぼされることはなく、地を滅ぼす洪水は、再び起こらないであろう」。
・さらに神は言った。「わたしは雲の中に虹を置く。これが契約のしるしとなる。虹が雲の中に現れる時、わたしはこれを見て、生き物との間に立てた永遠の契約を思い起こすことであろう」。
・箱舟から出たノアの子らは、セム、ハム、ヤペテであった。ハムはカナンの父である。この3人はノアの子らで、全地の民は彼らから出て、広がったのである。
・ノアは農夫となり、ぶどう畑をつくり始めたが、彼はぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。カナンの父ハムは父の裸を見て、外にいるふたりの兄弟に告げた。セムとヤペテは着物を取って肩にかけ、うしろむきに歩み寄って、父の裸をおおい、顔をそむけて父の裸を見なかった。やがてノアは酔いがさめて、末の子が彼にしたことを知ったとき、彼は言った。「カナンはのろわれよ、彼はしもべのしもべとなって、その兄弟たちに使える」。
・また言った。「セムの神、主はほむべきかな、カナンはそのしもべとなれ。神はヤペテを大いならしめ、セムの天幕に彼をすまわせられるように。カナンはそのしもべとなれ」。
・ノアは洪水の後、350年生きた。ノアの年は合わせて950歳であった。そして彼は死んだ。
(2021.9.8)