梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

トランプ大統領の《嘘》

 ほぼ半月前(10月3日)、アメリカのトランプ大統領が「新型コロナウィルス」に感染したニュースに関して、私は「どのような経過をたどるにせよ、世界のビッグニュースであることは間違いなく、日本政府、専門家、メディアにとっては目が離せない状況が続くだろう。そんな折、このことに関する《情報の開示・隠蔽・改竄》が、アメリカではどのように行われるか、注意深く見届けたいと私は思う」と綴った。その後の経過をみると、トランプ氏は4日間の入院で快癒、最近では「陰性宣言」をして、およそ千人の集会に参加、人々の前で「マスクを放り捨てた」という。まことに、威勢のいい話で、世界中が沸き立つかと思いきや、意外と「冷ややかな目」で見る向きが多いように感じる。
 そういえば、感染から入院までの経過は、連日、つぶさに報道されていたのに反して、退院後のニュースは激減した。たしかトランプ氏の夫人も感染・発症したはずだが、彼女の情報は一切ない。
 そんな状況を分析して、(日本の)巷間では「トランプ大統領の感染・発症はなかった。入院は彼の一人芝居ではなかったか」という噂が出始めているようだ。なるほど、彼は入院中でも外出し、支持者の前に姿を現した。感染しただけで「2週間は隔離」というのが医学の常識だから、たとえ大統領でも医師がそれを許すはずがない。4日間の入院というのも異例の短さだ。スーパースプレッダーになる虞があるのに、選挙活動など軽々にできるはずがない。それらすべてを主治医が許していたとすれば、「初めから感染・発症していなかったからだ」と思われてもしかたがないだろう。
 だとすれば、アメリカ政府は《情報の開示・隠蔽・改竄》を始める以前に、まず《虚報の捏造》から出発、あとは《だんまりを決め込む》という手法で、日本よりも大胆不敵ということか・・・。