梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型肺炎(コロナウィルス)の《不安》・7・「感染しない方法」

 厚生労働省のホームページには、2月28日時点での「新型コロナウィルス感染症」の現状について、以下のデータが載っている。(チャーター便帰国者の事例を除く国内事例)
①PCR検査実施人数1380人(日本の総人口の0.00001095%)
②陽性者       195人(被験者の14.1%)
 そのうち無症状者   15人(陽性者の7.6%)
  そのうち退院者    4人(無症状者の26.7%)
      入院中   11人(無症状者の73.3%)
 そのうち有症状者  180人(陽性者の92.3%)
  そのうち退院者   26人(有症状者の14.4%)
      入院中  150人(有症状者の83.3%)
      軽中症   73人(入院者の48.7%)
       重症   20人(入院者の13.3%)
      確認中   57人(入院者の38.0%)
③死者          4人(陽性者の2.0% 重症者の20%)
 以上のことから、どのようなことがわかるか。
まず、被検査者は1380人で、日本の総人口約1億2600万人の0.00001095%、つまり十万分の一に過ぎない、ということである。それ以外の国民の実態は「不明」ということだ。だから、自分が感染しているかどうかは誰もわからない。
 次に、陽性者(感染者)は195人であり、10人に1人(以上)の割合である。感染しても発症しない確率は7%強(15人)ほどであり、92%(180人)は発症した。そのうち14%(26人)は軽快し退院できたが、83%(150人)は未だに入院中である。そのうち(治癒・退院が見込める)軽中症者は約半数(49%弱)いるが、重症者も20人(13%)いる。まだ確認中が57人(38%)もおり、この疾患が複雑な様相を呈していることが窺われる。死者は4人、陽性者の2%だが、重症者の20%に相当するので予断を許さない現状だ。
 これまで、「致死率は2%、8割は軽症のまま完治する」ように喧伝されてきたが、この実態を見ると、なるほど「感染」すればその9割が発症し、軽症のまま退院できるのは多く見積もっても半数程度だ、ということがわかる。すでに、昨日の時点で「致死率2%」に達しているので、それ以上に増えることは確実だろう。  
 私はこれまで、感染しても「治癒した事例」を公表し、流布することが重要と提唱してきたが、有症状者のうち退院できたのはまだ26人に過ぎないとすれば、その実現は無理、無理・・・。まず「感染しない方法」を追求することが先決だ、ということがわかった。
(2020.3.1)