梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《今後の課題》

 全国に及ぶ「緊急事態宣言」は5月31日まで延長されることになった。私は先月上旬(4月9日)に、隣国・武漢市の事例を参考に《4月8日に国内の死者が100人超え、ほぼ10日後の4月18日頃、感染者が1万人を超え、その1週間後の25日頃、死者が1000人超え、その1か月後の5月25日頃、新たな感染者がゼロになり、その半月後の6月10日頃、《終息》となる。》と「妄想」していたので、この延長は当然だと思う。「東京新聞」朝刊・2面に連載されている《国内の新型コロナウィルス感染者》の数値の推移を見る限り、国内の感染者の拡大は「鈍化」の傾向にあるだろう。ただし、「ほぼ拡大が止まった」と思われる地域(A)と、「依然として止まらない」地域(B)には大きな差がある。日本全体の感染拡大が抑えられているのは、地域(A)のお陰である。
 感染者ゼロを維持している岩手は言うに及ばず、4月以降、感染者数を10日以上増やさずに抑えている地域(A)は以下の通りである。 
 徳島(26日)、秋田(24日)、鹿児島(23日)、青森(22日)、長崎(22日)、宮崎(22日)、鳥取(21日)、大分(21日)、岡山(18日)、香川(18日)、三重(16日)、熊本(14日)、山口(13日)、愛媛(13日)、栃木(12日)、岐阜(12日)、島根(12日)、佐賀(12日)、新潟(11日)、長野(11日)、滋賀(11日)、高知(11日)、山形(10日)。
 一方、「依然として止まらない」地域(B)は、東京、北海道を筆頭に、埼玉、千葉、神奈川、石川、京都、兵庫等である。
 したがって、このBの地域の拡大をいかに食い止めるか、が当面の課題であろう。各地域の首長の手腕が求められる。
 また国内の「新型コロナウィルス感染症」による死者は増え続けている。3月26日の時点では59人(致死率2.4%)、4月23日の時点では329人(致死率2.5%)、さらに5月3日の時点で548人となり、致死率は3.4%に《上昇》している。これを外国と比べると、フランス(18.9%)、英国(15.6%)、イタリア(13.7%)、スペイン(11.6%)、ブラジル(6.9%)、イラン(6.3%)、米国(5.8%)、ドイツ(4.0%)よりは低いが、トルコ(2.6%)、ロシア(0.9%)より高い。
 したがって、死者数の増加をいかに食い止めるかが、今後の最重要課題であろう。そのためにも、まず(新型コロナウィルス感染症による死者数と)その他の肺炎による死者の《総数》を並記(公表)して(明確に区別して)、医療に臨むべきだと私は思う。
(2020.5.4)