梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

戦後流行歌手の「実力」・《10》

梨野礫

  その結果・10・《採点一覧》

163 坂本冬美・「無法松の一生」       5×80=400点

164 中村美律子・「湯島の白梅」      3×70=210点

165 香田晋・「別れの一本杉」       4×100=400点

166 山川豊・「夜霧のブルース」      3×50=150点   

167 坂本冬美・「明治一代女」           4×100=400点

168 中村美律子・「野崎小唄」        3×100=300点

169 服部浩子・「夜来香」           3×100=300点   

170 由紀さおり・安田祥子「マロニエの木陰」      

                      4×100=400点

171 中村美律子・「長崎物語」          3×100=300点

172 坂本冬美・「弁天小僧」        3×100=300点

173 山川豊・「哀愁の街に霧が降る」      3×70=210点

174 中村美律子・「月の法善寺横町」    3×100=300点

175 坂本冬美・「お富さん」         3×100=300点

176  服部浩子・「別れのブルース」         5×70=350点

177 中村美律子・「おーい中村君」     3×90=270点

178 香田晋・「なみだ船」            4×100=400点

179 坂本冬美・「ひばりの佐渡情話」       3×100=300点

180 中村美律子・「お別れ公衆電話」      3×100=300点


《寸評》

 坂本冬美の「明治一代女」「弁天小僧」「お富さん」「ひばりの佐渡情話」は、声音、節回し共に申し分なく、原曲と肩を並べている。「無法松の一生」は、ややテンポが速すぎた。

 中村美律子の歌声は「関西風」の空気が漂っているので、「野崎小唄」「月の法善寺横町」は自家薬籠中のもの、「長崎物語」「お別れ公衆電話」も曲想をあざやかに描出していた。「湯島の白梅」は、湯島、本郷、上野といった景色が薄れていた。「おーい中村君」は、若原一郎の爽やかさに今一歩というところか。

 香田晋の「別れの一本杉」「なみだ船」は、節回しも鮮やかで、原曲と比べて遜色ない。

 山川豊の「夜霧のブルース」は「青い夜霧に灯影が紅い」「血が騒ぐ」のギ、ゲ、ガ、グがすべて閉鼻音なので(ディック・ミネの原曲も同様)、聞き苦しい。「哀愁の街に霧が降る」のガも同じ。

 服部浩子の「夜来香」は、澄み切った歌声で申し分なかった。「別れのブルース」は、高音部の響きが足りなかった。

 由紀さおり、安田祥子の「マロニエの木陰」も、澄み切った姉妹の歌声が冴えわたり、松島詩子の原曲と比べて遜色なかった。

(2025.10.20)