梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「本当はこわくない新型コロナウィルス」(井上正康・方丈社・2020年)通読・3《第1章 人類最大の敵は感染症》

《第1章》(要約)
■人類最大の敵は感染症
・人類の歴史は、感染症との戦いの歴史でもあった。近代になり人々の交流が活発・広範囲になり、都市化によって密集生活が多くなったため、感染症の流行が頻発するようになった。
・結核、コレラ、ペスト、天然痘、マラリア、エイズ、デング熱、エボラ出血熱、サーズ、マーズなど。
・感染症の歴史でも特に大きな教訓となるのがインフルエンザだ。今から約100年前、第一次世界大戦中に「スペイン風邪」が大流行した。この時の原因ウィルスはインフルエンザウィルスA型であった。発生源はアメリカ・カンサス州の軍事基地、感染した兵士がボストン経由でフランスに渡り、ヨーロッパ全土に感染が拡大した。世界の人口約15億人のうち約5億人が感染し、5000万~1億人が死亡した。日本でも2500万人が感染し、40万人が死亡した。


【感想】
・上記の感染症と比べて「新型コロナウィルス感染症」はどのような特徴(感染力、病毒性、致死率など)があるのだろうか。特に、「スペイン風邪」(インフルエンザA型)と比べてどうなのか。現在までの感染者は24万人弱、死者は3500人余りということまではわかるが、収束するまでに何人が感染し、死亡するかはわからない。過度に心配するか、楽観視するかは「見解の相違」だが、冷静に科学的に判断するとどうなのか、知りたい。


■ウィルスには抗生物質が効かない
・感染症を引き起こす病原体には、原虫、カビ、細菌、ウィルスなどがある。このうち、原虫、カビ、細菌などに対しては、抗菌薬や抗生物質を使うことで封じ込めに成功してきたが、ウィルスに対しては役に立たない。ウィルスは細胞ではないので自分でエネルギーを作り出すことができず、自己増殖もできない。他の生物の細胞内に侵入し、その細胞が持つ遺伝子複製機能を使って自分のコピーを作らせ、それによって増殖していく。 
・ウィルス感染症に対しては、薬による治療が困難だ。人類と感染症の戦いは今も継続中なのである。


【感想】
・「新型コロナウィルス」に対しては、それを封じ込める特効薬がないということが、よくわかった。
(2021.1.2)