梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「夏の甲子園」・高野連のオソマツな判断

 東京新聞1月31日付け朝刊(11面)に、「夏の甲子園 休養2日に 猛暑対策、準決勝翌日も」という見出しの記事が載っている。日本高野連は、「第101回大会から夏の甲子園大会の休養日を、現行の1日から2日に増やすと発表した。猛暑の中でプレーする高校球児の身体的な負担軽減などが目的」だそうである。バカバカしくて話にならない。日本高野連には、「まともな判断力」を持ち合わせている運営委員が皆無と思われる。私なら、「高校野球甲子園大会は100回を一区切りとして、101回目からは新たな歴史を刻む。今後ますます地球温暖化による災害並みの酷暑が予想されるので、健康教育の見地から、野外でのゲームは行わず、屋内球技場で実施することにする。候補地は大阪ドームまたは東京ドーム」とでも発表するだろう。日本高野連が、甲子園での開催に執着する理由として、たしか「球児たちが熱望している」ことを挙げていたと思うが、《教育者として》未熟である。「夏の甲子園」というとき、《夏》の実態が変化していることを、球児たちに教えなければならないのだ。それが日本高野連の責務である。選手はもとより応援団に、これまで犠牲者が出なかったことは奇跡的である。大会開催中に死者が出てからでは遅い。その時は、間違いなく主催者の責任が追及されるだろう。どうしてそんな単純なことがわからないのだろうか。それとも、「プロの卵ならそれくらいの試練に耐えなければならない」と強弁するのだろうか。来年のオリンピック開催も真夏、気温30度以上でマラソンを強行しようとする、無謀な《お国柄》だから、あえて「首を冷やし、水分を十分に補給しながら、ゲームを続ける」ことに《価値がある》と考える教育者がいたとしてもおかしくないか、嗚呼・・・。(2019.1.31)