梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「愛知県知事リコール不正署名事件」の《真相》・1

 経済ジャーナリスト・須田慎一郎氏が、3月29日と4月2日の「虎ノ門ニュース」で、「愛知県知事リコール不正署名問題」についての取材報告をしている。彼は、リコール運動を展開した「おやめください大村知事、愛知100万リコールの会」の代表・高須克弥氏、事務局長(会計責任者)・田中孝博氏、リコール運動を応援する名古屋市長・河村たかし氏に直接インタビューしている。その報告を見聞すると、以下のことがわかった。
①リコール運動のきっかけは、昨年5月「名古屋市があいちトリエンナーレ芸術祭実行委員会から負担金の支払いを求めて訴えられたので、河村市長は大村知事のリコールをしたい」と思った。
②河村市長は自分の思いを高須氏に伝え、リコールの賛同を得た。
③河村市長は武田邦彦氏にリコールの応援を依頼し、同意を得た。
④高須氏は百田尚樹氏、竹田恒泰氏、有本香氏にも応援を依頼し、同意を得た。
⑤高須氏はリコール運動記者会見の当日に(名古屋市民は自分の他にはいなかったので)
代表にならざるを得なかった.。
⑥6月11日に、名古屋市のポスティング会社・ジェネシスから「署名ハガキの配布を無償で行いたい」という申し出があり、河村市長は「ありがたく」依頼した。
⑦ジェネシスの下請け会社が人材派遣会社を通してアルバイトを募集し、不正署名を行った。
⑧そのアルバイトに対して1500万円の支出があった。
⑨高須氏は⑥⑦⑧の経緯について詳細を知らなかった。騙されたと言う。
⑩河村市長は⑦⑧の経緯について詳細を知らなかった。騙されたと言う
⑪田中事務局長(だけ)は①~⑧のの経緯について詳細を知る「立場」にあった。が、「アルバイト代は出していない」、不正署名の詳細は「知らない」と言う。
  以上から、「不正署名問題」は、田中事務局長(もしくはその黒幕・同調者)によって仕組まれたであろうという察しはつく。はたしてその《真相》がいつ明らかになるか。まもなく名古屋市長選が始まるので、それが終わるまでは無理ということか。
 それにしても、武田邦彦氏、百田尚樹氏、竹田恒泰氏、有本香氏といった《錚々たる論客》が《全くの蚊帳の外》に置かれている構図は《お粗末》の極みである。各自の《わきの
甘さ》を嗤う他はない。
(2021.4.9)