梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《厚生労働省の責任》

 3月14日から16日にかけて、世界の感染者数・死者数の「増加」の様相は以下のとおりである。(●は増加率の減少、▲は増加率の拡大。■は不明・数値は「東京新聞朝刊」
掲載の表《新型コロナウィルス感染者が多い国・地域》にもとづく)


《感染者数・増加率》(14日→16日)
▲中国36人(1.0004倍) ●韓国150人(1.01倍) ▲イタリア7087人(1.40倍) ▲イラン2262人(1.17倍) ▲日本80人(1.05倍) ▲フランス1762人(1.48倍) ▲ドイツ1776人(1.58倍) ▲スペイン2991人(1.51倍) ▲米国1376人(1.65倍) ■スイス554人(1.54倍)
《死者数・増加率》(14日→16日)
▲中国24人(1.007倍) ▲韓国6人(1.08倍) ▲イタリア543人(1.42倍) ▲イラン242人(1.39倍) ▲日本7人(1.25倍) ▲フランス48人(1.60倍) ▲ドイツ7人(2.4倍) ▲スペイン161人(2.18倍) ▲米国18人(1.37倍) ■スイス7人(2.16倍)


 これを見ると、感染者数の増加率は中国、韓国、日本がいずれも1.1倍未満で低く、それに続くのがイラン、イタリア、フランスで1.5倍未満、ドイツ、スペイン、米国はいずれも1.5倍以上で相当高いことがわかる。死者数の増加率はドイツ、スイス、スペインが2倍以上、フランスが1.6倍で高く、以下、イタリア1.4倍、イランとアメリカが1.3倍台、日本は《かろうじて》1.2倍に抑えられているということか。中国、韓国はいずれも1.1倍以下で推移している。
 要するに、世界各国の感染者数・死者数は「増加の一途」を辿っており、ドイツ、スペイン、スイスでは死者が倍増している、一方、中国、韓国は「ほぼ横ばい」状態、日本は
「微増を抑えられない」状況にある、といえるのではないか。
 今日の「東京新聞朝刊」(26面)では「国内新たに4人死亡」というタイトルの記事で、「15日には31人の新たな感染が確認され、ダイヤモンド・プリンセスの乗客乗員の感染者も15人増え、累計で1500人を超えた」とある。14日現在の感染者数は1463人、うちクルーズ船は697人だったが、16日現在では感染者数が1543人、うちクルーズ船712人に増加している。たしかに712-697=15だ。この15人は下船時、陰性だったはずだ。ではどこで感染したのか。船内感染か、市中感染か。厚生労働省のホームページを見ても、ただ【クルーズ船事例】のPCR検査陽性者が13日697人が16日には712人になったと《数字だけで》示されている。「712(+15)」という数字だけを示されても、なぜ(+15)なのか、国民にはわからない。多くの人々は【クルーズ船事例】はもう終息したと思っている。なぜまた乗客乗員の中から《新たに》感染者が発生したのか、そのことを説明する責任が厚生労働省にはある。
(2020.3.17)