梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

新型コロナウィルス感染・《国内・致死率の上昇》

 「新型コロナウィルス」の世界的な感染拡大は、欧米・中東諸国、東南アジア、中国、韓国では「鈍化」「終息」の方向に向かっているが、ロシア、ブラジル等、未だに拡大を続けている国もある。日本もようやく「終息」の方向に向かい始めたようだ。5月11日現在、新規感染者が確認された地域は10都道府県(北海道、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、愛知、大阪、兵庫、岡山)《だけ》となった。でも油断は大敵である。
 今、死者数に注目し、世界各国の「3日間の増加率」(5月5日~8日→5月8日~11日)を見ると、米国1.09倍→1.05倍、イタリア1.03倍→1.02倍、スペイン1.02倍→1.01倍、ドイツ1.05倍→1.03倍、イラン1.03倍→1.01倍、フランス1.03倍→1.01倍、英国1.06倍→1.04倍、トルコ1.05倍、ロシア1.18倍→1.16倍、ブラジル1.24倍→1.21倍と、ほとんどが《下降の傾向》を見せているのに、日本だけは1.06倍→1.08倍と増加しているのである。つまり感染者数の拡大は抑えられているが、死者数の増加は、直近でも抑えられていないという「事実」である。致死率も他の国にほとんど変化は見られないのに、日本《だけ》は、5月9日3.8%、10日3.9%、11日(4.0%)と上昇しているのである。それがどのような要因によるものかは、私にはわからない。
 しかし、感染者が減ることよりも死者が増えない方がよいことは誰にでもわかる。政府が「国民の命を守る」というのなら、当初2%未満だった致死率が、今では4%にまで上昇している「事実」を重くとらえ、しかるべき対処をすることが早急にに求められる、と私は思う。
(2020.5.12)