梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「なぜ生きる」(1万年堂出版・2001年)・1

 新聞広告で「なぜ生きる」(高森顕徹監修 明橋大二、伊藤健太郎著・1万年堂出版)という本が紹介されている。「私は、入退院を繰り返し、ビクビクしながら生きてきました。しかし本書を二回読み終えたら、『ヨッシャ、生きるぞ。生きてやる!』と思いました。福岡県 79歳・女性」という反響も添えられていたので、興味を惹かれ、さっそく購入した。いったい、79歳(高齢者)の「生きる意欲」を駆り立てる内容とはどんなものなのだろうか。まず《一部 なぜ生きる・・・苦しくとも生きねばならぬ理由は何か・・・を読み終えた。ここでは①幸せはいとも簡単に崩れ去る、②人命は地球より重い。なぜそう言われる?、③「辛抱して生きつづけること」それが人生の目的なのか、④「なんと生きることは素晴らしいことか!」人生の目的を達成すれば、現在の一瞬一瞬が、かの星々よりも光彩を放つ、⑤生きる意味を知って働く。さすれば、苦労も悲しみも報われる、⑥幸福の歓喜のただ中に、思わぬ落とし穴が、⑦幸せなのは夢を追う過程 達成すると色あせる「目標」、⑧人類の、びくともしない壁、というタイトルで、《要するに》なぜ生きるという人生の目的は、「永遠の幸福を得るため」であり、そのためには《死を正視して苦悩の根元を知り、断ち切る》ことが肝要だということがわかった。
 二部はいよいよ《親鸞聖人の言葉》だ。私もまた「ヨッシャ、生きるぞ。生きてやる!」という意欲が沸いてくるだろうか。楽しみに読み進めたい。  
(2021.4.27)