梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

「自閉症治療の到達点」(太田昌孝・永井洋子編著・日本文化科学社・1992年)精読(30)・Ⅹ章 自閉症の遺伝研究

【要約】
《Ⅹ章 自閉症の遺伝研究》
【はじめに】
・自閉症は、現在では中枢神経系の先天的異常がその主な原因であると考えられるようになってきている。先天的とは、脳を形成する神経系の遺伝情報の異常と、遺伝子レベルには問題がない場合の胎生期の環境による発生の異常とを含んだ意味である。前者では、フェニールケトン尿症、結節性硬化症に合併したものがあげられ、後者では先天性風疹症候群があげられる。
・古典的な遺伝学では、形質(病気や瞳の色などの特徴)が同一の家系内に高頻度で見られる場合に、その形質の遺伝性や病原性を追究することが可能であった。ある形質が遺伝することやその遺伝のしかたが明らかになった後に、その遺伝子を追究するという方法で、いろいろな形質の遺伝子が明らかとなってきた。しかし、現在ではその逆の方法での研究がすすんできている。遺伝子の把握が先になされて、その異常に対応してどのような形質上の異常が生じるのかを研究することが可能になってきている。近年、分裂病、躁うつ病、てんかんなどの精神神経疾患でこのような方法を用いた遺伝的研究が行われている。今後、自閉症を含めた発達障害の研究にもこのような方法が応用されていくものと期待される。
・この章では、自閉症における遺伝的アプローチの現状とその可能性を理解してもらうことを主な目的としている。前半では、遺伝学的に見た自閉症や発達障害の理解に役立つと思われる基礎知識を紹介し、後半では遺伝学的に見た自閉症について述べておく。
【1.遺伝に関する基礎知識】
・自閉症が遺伝学の対象となった途端に、自閉症が遺伝性の疾患であるかのように誤解されることがある。
・遺伝学的な異常とは、遺伝子レベルの異常なのだが、これは親の代では存在しなかった異常も含めて考えているのである。いわゆる突然変異などを含めて考えてもらうとよい。
1)親から子どもへ何が引き継がれていくのか?
・ヒトがヒトとして生まれてくるのは、ヒトの遺伝子を持っているからである。遺伝子は1本の染色体を単位として、母親と父親から子どもへその半数ずつが伝えられる。その新しい遺伝子の組み合わせで子どもの持つ基本的な構造が決定される。ヒトに脳があったり、1つの鼻や2本の腕があったり、性が存在したりするのも、親から子へ正常な遺伝子が伝えられた結果である。
・親から子へと伝えられた遺伝子は、その個体を構成するタンパク質がどのようなものであるのか、そのタンパク質がいつつくられるべきであるのかという情報を担っている。前者に関する遺伝子を構造遺伝子、後者に関するものを調節遺伝子と呼んでいる。
・遺伝子は、他の遺伝子や環境との相互作用の中で形質を表現している。親から子へと物理的に引き継がれるのは遺伝子であって、出来上がったヒトそのものではない。個人の形態や能力は潜在的に遺伝子によってある程度の傾向が決定されていても、遺伝子がそのまま表現されるわけではない。
・環境との関係:(例)筋肉の量はトレーニングによって増えるが、その量は遺伝子のみによって決定されているわけではなく、環境との相互作用で決まる。環境や訓練が、遺伝子から形質へとつながる複雑な過程に介入して、結果として遺伝子の発現を調節している
のである。
・他の遺伝子との相互作用:(例)脱毛症の中の一部は優性遺伝することが知られているが、この遺伝子が形質を発現して脱毛が生じるのは男性ホルモンをつくる遺伝子が存在するときだけ、つまり男性だけである。
2)遺伝子を運ぶもの
・遺伝子を運ぶものは染色体である。正常な核型(染色体の組み合わせ)のヒトでは、44本(22組)の常染色体と、男性ならX染色体とY染色体がそれぞれ1本ずつ、女性ならX染色体が2本ある。このX、Y染色体は性染色体と呼ばれる。
・生殖細胞から配偶子ができる際に、男性では22本の常染色体とX染色体あるいはY染色体のどちらかの計23本の染色体を持った精子が形成され、女性では22本の常染色体とX染色体1本の計23本の染色体を持った卵子が形成される。生まれる子が男性か女性かは、受精にかかわる男性側の精子の性染色体がX染色体なのかY染色体なのかで決まる。
3)遺伝子のある場所
・染色体上のどの位置(遺伝子座)にどの遺伝子が並んでいるかは、染色体ごとに決まっている。
・正常な遺伝子型のヒトは1つの番号につき2本ずつの常染色体を持っている。(この1対を構成する染色体を相同染色体と言う)から、遺伝子は母方由来の染色体上のものと、父方由来の染色体上のものの2つある。相同染色体の同じ位置の遺伝子座には、対をなす遺伝子がある。これを対立遺伝子と言う。
・1つの遺伝子座には1つの遺伝子がある(将来2つ以上に分けられることもある)が、その1つの遺伝子は複数種類のうちの1つであることが多い。例えば、ABO血液型を決める遺伝子は9番染色体の長腕の34という位置にあると考えられているが、その遺伝子座にあるのはA型かB型かO型の3種類の遺伝子のうちのいずれか1つである。
4)遺伝子のモデル
⑴単一遺伝子モデル(メンデル形質)
・1つの遺伝子座で決定される形質をメンデル形質という。この形質が疾患であれば、それを単一遺伝子疾患という。メンデル形質には、遺伝形式にいくつかのパターンがある。遺伝形式が優性であるとは、2本の染色体のうちの1つにあれば必ず表現されることを意味し、劣性であるとは、1つだけでは表現されないことを意味する。これが常染色体上にある場合と、性染色体上にある場合とがある。
・性染色体上にある遺伝子の発現形式には、常染色体上にある遺伝子とは異なった特徴がある。X染色体連鎖の場合は、男性と女性で表現のされ方が異なっている。女性ではX染色体が2本あるので、常染色体上にある場合と同じである。男性ではX染色体が1本しかないために、劣性優性にかかわらず発現する。Y染色体上にある遺伝子については、通常の男性ではY染色体は1本しかないから、優性劣性の区別なくY染色体連鎖遺伝と呼ばれる。
⑵多因子モデル
・複数の要因で形質が決定される遺伝形式を、多因子遺伝と呼ぶ。糖尿病がその代表的なものであり、遺伝的素因に加えてどのような環境で生活するかといったことも発症するかしないかの重要な要因である。多因子遺伝は、多遺伝子遺伝と呼ばれることもある。複数の遺伝子が相乗的に、相加的に作用していることを意味している。
5)遺伝子の本体
・染色体は、デオキシリボ核酸(DNA)が二重螺旋構造をとりながら1本につながって何次元かに折れ曲がったものと、その周囲にくっついたタンパク質から出来ている。DNAとは、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という4種類の塩基の総称である。
・このDNAが遺伝情報を伝える本体であるが、DNAは1個1個それだけでは何の遺伝情報も伝えない。遺伝情報は、4種類のDNAの並び方(DNA配列)の中に暗号のような形で蓄えられている。このような配列が1本に並んだDNAの鎖の中にとびとびに存在している。このDNA配列のひとかたまりを遺伝子と呼ぶ。
6)遺伝学的異常
⑴光学顕微鏡レベルの異常
・光学顕微鏡で明らかとなる異常は、染色体レベルの異常である。採血によって得られた白血球を培養し、目的に合わせた染色をすることで確認が可能である。染色体異常には、数の異常と形態の異常がある。
・数の異常には、正常なら2本で1対となっている同じ番号の常染色体が3本あるトリソミー、1本であるモノトリソミーがある。ダウン症は、21番染色体のトリソミーである。
・形態の異常では、欠失、転座、脆弱などがある。形態に異常があれば、DNA配列に異常が生じていることは容易に推測できる。
⑵遺伝子レベルの異常
・遺伝子のわずかな異常は、染色体を顕微鏡で調べただけではわからない。分子生物学的な手法を用いて明らかにすることができる。通常は、採血を行いその中の白血球のDNAを調べる。
・遺伝子レベルの異常は、DNA配列の異常である。A、T、C、Gの4つの塩基のうち、AがTに置き換わったりする置換、一部のDNAが欠ける欠失、余計なDNAが入り込む挿入などがある。Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)で異常の見られるDMD遺伝子は、X染色体の短腕の21という部位にあり、種々のタイプの欠失が見られている。
7)親から子へ引き継がれる際に遺伝子に異常の起こる原因
・ここでは、組み換えと突然変異について説明する。
⑴染色体の組み換え
・1本の染色体を単位として、遺伝子は親から子へと遺伝する。しかし、親の1対の染色体のうちの1本がそのまま子へと引き継がれていくわけではない。生殖細胞から配偶子ができる際に、組み換えという現象が生じていて、相同染色体どうしの間で部分的に染色体を交換し合う。この際に不均等な入れ替えが起こって、一方での染色体である遺伝子が欠損し、もう一方でそれが重複するといったことが起こることがある。
⑵突然変異
・DNA配列には、一定の確率で突然変異が生じている。
・臨床的には、精子形成や卵形成の際の減数分裂で生じる塩基置換が問題になる
8)まとめ
・遺伝子の本体はDNAの配列である。染色体や遺伝子は、親から子どもへ少しずつ内容を変化させながら遺伝する。さらに、その子どもの環境や、他の遺伝子からの作用を受けて形質を発現させる。
【2.遺伝学的に見た自閉症】
1)自閉症で遺伝的基礎が考えられる根拠
・自閉症の男女比は概ね4:1であり、男に多い。これは性染色体の関与を示唆するものである。
・一卵性双生児と二卵性双生児で一致率を見ると、一卵性での一致率が高い。これは、自閉症の発症に、遺伝レベルの素因が存在していることを示唆している。
2)双生児研究
・11組の一卵性双生児と10組の性が一致している二卵性双生児で、自閉症の一致率を調べた研究(Folstein & Rutter,1977)では、一卵性で36%、二卵性で0%であった。さらに、認知面の障害まで広げて一致率を見ると、一卵性で82%、二卵性で10%であった。
・これ以外に、一卵性で91% 、二卵性で0%という報告(Steffenburg,et,al.,1989)、一卵性で96% 、二卵性で24%という報告(Ritvo,et,al.,1985)があるが、自閉症の範囲が広すぎる、二卵性の中に性の不一致例がある、などの批判もある。
・一方で、不一致例の存在は、すべてが遺伝子レベルで決まるものでもないことを示している。
3)家族研究
⑴同胞に関する研究
・IQ70以上の自閉症児の家族を対象に調査して、読字障害や言語面の障害の家族歴が1/4以上の家族に見られた(Bsrtak,et,ai.,1975)。
・自閉症の同胞71例とダウン症候群の同胞38例を対象に、認知障害の頻度を調べた結果、前者の15% 、後者の3% に認められた(August,at,al.,1981)。
・自閉症の同胞50例に心理検査を施行して、約10%に精神遅滞を認め、言語性IQが動作性IQに比べて低い傾向があった(Minton,et,al.,1982)。
・78例の自閉症と22例のダウン症候群の同胞を調べて、自閉症の同胞15%とダウン症の同胞4.5%に認知面の障害を認め、多くは特異的言語障害であった。言語遅滞や社会性に異常のある者の140例の同胞のうち4例に、自閉症89例の同胞のうち3例に自閉症を認めた(Rutter,1991の紹介)
⑵両親に関する研究
・神経症的傾向や内向性や強迫性が高い(Kolvin,at al.,1971;Cox,et al.,1975)。
・他の障害児の両親と比較して、共感性、社会性、強迫性に差がない(Wollf,et al.,1988)。
⑶家族研究についての考察
・自閉症児の家族の一部に認知障害や性格傾向を含めた一定の特徴を肯定するものが多い。遺伝負因を肯定する結論とみなしてよいであろう。
・同胞には、自閉症以外の発達障害や認知障害が認められている。親については、発達障害よりも性格傾向を議論しているものが多い。遺伝要因は親のほうが同胞より自閉症児に近い関係にあり、環境条件は同胞のほうが自閉症児に近い。自閉症を含めた発達障害の発症に関与する遺伝子レベルの異常は、片方の親からそのまま引き継がれているものではない可能性を示している。
4)自閉症と関連が報告されている遺伝的形質
⑴染色体異常との関連
・自閉症が男性に多いことから、Y染色体の異常が検討され、自閉症の男性のY染色体は通常に比べて長いものがあるという報告があったが、支持も否定もないまま現在に至っている。
・ほかに、性染色体関連の異常として、脆弱X染色体が検討されているが、自閉症児での頻度は、他の精神遅滞児の頻度を超えるものではない(Hashimoto,et al.,in printing)。
・脆弱X症候群は何らかの中枢神経系の障害の原因になり得るものであり、常同行動などの自閉症様の症状が認められることもあるが、自閉症の主要な原因ではないと考えられる。
⑵単一遺伝子疾患と考えられる疾患
・より高率に自閉症を合併するものとして、ウェスト症候群、先天性風疹症候群、フェニールケトン尿症、結節性硬化症がある。これらのうち、フェニールケトン尿症と結節性硬化症は単一遺伝子によるものと考えられる。フェニールケトン尿症の多くで異常の認められるフェニルアラニン水酸化酵素も遺伝子は12番染色体上にあり、そのDNA配列が明らかとなっている。結節性硬化症は9番染色体長腕と11番染色体上の別個の2座位との連鎖が明らかになっている。
・これらは自閉症のうちのごくわずかを説明できるにすぎない。
5)自閉症における遺伝学的研究の可能性
・自閉症における遺伝学的研究にはいくつかの困難点が存在する。
①自閉症が行動面で診断されるものであるため、遺伝子レベルの原因において不均一性である。
②家族に見られる認知障害のうち、どこまで自閉症に関連する遺伝子によるものと想定するべきか。
③自閉症は分裂病や躁うつ病や合併症にないてんかんと異なり、子どもを生む可能性が少ないため、原因遺伝子を何世代かにわたって追跡することが不可能である。
④複数の原因遺伝子の関与を想定した場合に、変数が多くなりすぎて技術的に解決が困難になる可能性がある。
・したがって、現在次々と明らかになりつつある単一遺伝疾患と同じような展開での解決は困難であろう。
・しかしながら、分子遺伝学的方法は自閉症の原因解明の有力な手段である。例えば、神経系の発生とその機能に関与する遺伝子の異常の有無を、個々の自閉症において確認することが可能である。また、どの家族に自閉症関連の遺伝子の形質が現れているとみなすかという問題や、自閉症の不均一性の問題は、これまでに自閉症で所見が指摘されてきた生物学的特徴(血中のセロトニン濃度)や心理学的特徴(WISCなどのプロフィールなど)を利用して、臨床的にある程度克服することも可能であろう。
・遺伝子レベルでの原因が明らかになることで、自閉症をとりまく環境もかなり変化するであろう。すぐに根本的な治療法が開発されるとは限らないが、生物学的な原因が不明なために精神遅滞一般と同じ枠組みでしか対応できなかった状況が、医療面でも、行政面でも改善されるであろう。
・現在の分子生物学の進歩は、遺伝子レベルの情報を驚くほどの速さで利用可能にしてきている。まだまだ現在の状況は楽観的なものではないが、そこに甘んじる必要はないであろう。
6)まとめ
・自閉症の双生児研究や家族研究の結果は、素因としての遺伝子レベルの問題を示唆している。自閉症の遺伝子レベルの原因解明においては、他の単一遺伝子疾患や精神神経疾患についての方法に加えていくつかの工夫が必要と考えられる。
・今後の分子生物学の発展や、自閉症の心理学的、生物学的理解がすすむ中で、自閉症をとりまく環境が改善され、さらに根本治療に道がひらけることが期待される。(橋本大彦)


【感想】
 以上が「Ⅹ章 自閉症の遺伝研究」の内容だが、「Ⅸ章 自閉症の生物学的研究」と同様に、《研究の成果》は判然としなかった。著者らが、「自閉症の原因は脳の機能障害」であり、さらにその原因が「遺伝子の異常」にあると主張するのなら、まず第一に、「遺伝子レベルの原因」を解明することが先決ではないだろうか。インターネットの情報(「じゃじゃ丸トンネル迷路」)では、「自閉症の遺伝(FolsteinとRosen-Sheidleyの総説)」という論文があったが、その「結語」は以下の通りである。〈この10年足らずの研究を基盤にして,遺伝素因はあきらかに最も有力な自閉症スペクトルの原因として取り上げられるようになった.染色体異常やメンデルの法則に従う特異な疾患との関連に関する症例報告は数多くあるけれども,おおくのケースは特発性で明らかに複雑な遺伝パターンを背景としている.このことが易罹患性遺伝子の発見を困難にしている.にもかかわらず,いくつかの遺伝子(座)に関して注目される染色体領域を同定することに関しては,かなりの進歩があり,特に第2染色体,第7染色体,第15染色体,X染色体に関しては報告が成された.これまでのところ所見は決定的ではないが,候補遺伝子に関する研究は進行中である.候補遺伝子の選別は,連鎖シグナルの近傍にあることや,染色体異常のブレークポイントにあること,胎児発達時期の脳における発現性,そして限られてはいるが病態生理学的知識に基づいている.補足的アプローチには,動物モデルやヒト脳組織の研究がある.自閉症の遺伝に関するより意義のあるデータを得るためには共同研究が必要であるとする認識に加え,このような強力ないろいろなアプローチ法がそろっているので,今後の革新的な進歩が期待でき,この最も難解な状態(自閉症)を理解できる日が近いという楽観的な考えを持つことができる〉。この論文は(おそらく)2001年頃の作物だと思われるが、それから10年余りが過ぎた現在、未だに「遺伝子レベルの原因」は解明されていない。(最近の)国立特別支援教育総合研究所のホームページには、「自閉症の遺伝子治療は可能か?― 自閉症の多様性 ―国立特別支援教育総合研究所客員研究員 渥美 義賢」という記事が載っている。そこでは、レット症候群に対する遺伝子治療が「動物実験で成功した」例が紹介されているが、末尾は〈マウスでは生後3~4週からMECP2もしくはMeCP2を補うことでレット症候群の発症を防ぐことができることを証明しました。ヒトでいえば、生後半年くらいから正常なMECP2遺伝子かMeCP2を補えばレット症候群を予防できる可能性があるといえるでしょう。しかし、実験におけるマウスの死亡率の高さ等、ヒトへの臨床応用にはかなりの時間がかかりそうです〉ということで、私には「楽観的な考えを持つこと」など、とうていできないのである。 


これで「自閉症治療の到達点」精読は終了する。「自閉症治癒への道」の著者、ニコ・ティンバーゲン博士は、自閉症の治療教育の現状を見て「敗北主義」と評したが、今、そのことを「実感」として受け止めざるを得ない。(2014.3.11)