梨野礫・著作集

古稀を過ぎた老人が、これまでに綴った拙い文章の数々です。お読み捨てください。

漢方薬「イスクラ開気丸」

 「逆流性食道炎」による不快感(吐き気、腹部膨張感、食欲不振、便秘)には「イスクラ開気丸」という漢方薬が効くという情報を得たので、市内の漢方薬局4店に電話で問い合わせた。1店目はデパート7階にある漢方プティック、若い店員(男性)が出て、「イスクラは扱っていません」、2店目は大正12年創業の老舗薬局、ここも「イスクラは扱っていません」、3店目は駅から徒歩6分、応対に出た店主(高齢男性)は息も絶え絶えといった声量で「・・・・」、しばらく絶句の後「それは、ありません」ということだった。なるほど、これは容易に手に入らないだろうと覚悟を決め、念のために4店目に電話すると、応対に出た女性(おそらく店主の妻)はたいそう親切で、「うちでは扱っておりませんが、○○薬局さんにはあると思います。もしなかったら、私の実家も漢方薬局なのでそちらに電話してみてください。京都四条なので送料がかかりますが、1万円以上御購入の場合は無料です」と言い、電話番号を教えてくれた。まったく見ず知らずの相手に対して、最後は「どうぞ、お大事に」という言葉も添えられて、まことに心温まる対応であった。同じ薬局でありながら「天地の差」があることを思い知った次第である。
 さっそく○○薬局に電話してみると「イスクラ開気丸ですね。ハイ、ありますよ。・・・・お待ちしております」ということでメデタシ、メデタシ。「間欠跛行」を押して、買い求めることができた。
 とりあえずこれで「逆流性食道炎」を克服する目途はたったかもしれない。あとは、再発気味の「脊柱管狭窄症」をどうするかだ。とはいえ、私は様々な「病」と闘っているのではない。健康寿命を超えた身で「闘う」などとは身の程知らずも甚だしい。ただゲーム感覚で楽しんでいるに過ぎない。今は、ゲーム感覚で戦争をする時代だが、(病気との)戦争感覚でゲームをする「知恵」を学びたいと思っている。
(2019.1.17)